下半期は、「手放す」こともチャンスにつながる

2022年下半期におすすめしたい誰にとっても最強のパワーストーンは、ルビー。忘れな草の繊細な美しさをルビーとダイヤモンドで描いた優美なペンダントを、日々のお守りとして身につけて。
ペンダント「フォーゲット・ミー・ノット」〈ダイヤモンド、ルビー、プラチナ〉¥1,199,000/ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション(ハリー・ウィンストン)

星座を巡る星々の「終わりと始まり」が交錯するとき

「新しい流れが始まります!」というのは、占いの常套句。見るたびに「いつもそんなこと言ってない!?」なんて思ってしまう人も多いかもしれません。占星術で使うのは10個の星。それぞれが牡羊座から魚座までの12個の星座を順繰りに巡り、「新展開」のきっかけをつくっています。月なら1カ月、太陽なら1年。そしてこの下半期、「新しい流れ」のなかでも最もビビッドな転換を私たちに示してくれるのは「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星。木星はひとつの星座に約1年滞在し、12年かけてすべての星座を巡ります。

2022年5月、木星はトップバッターの牡羊座に入り、新たな12年のサイクルが始まりました。下半期はこの"始まりの続き"からスタートします。折しもコロナ禍で抑えつけられていた日常の復活を目指すなか、未知のもの、前例のないことに対して前向きな空気が醸成されることでしょう。長らく口にしていなかった「やってみなければわからないよね」「ダメもとで挑戦してみよう!」といった台詞を口にする人は多いでしょうし、そんなニュアンスで鼓舞されもするはずです。「やりたい!」という思いだけで突っ走ることのリスクもありますが、ちゃんとセーブする流れも起こります。7月末から11月下旬にかけて「それって、本当にやりたいこと?」と問われるような出来事が起こりますから、安易に前例に照らし合わせるようなことをせず、自分の頭で考えていけると素敵です。

8月下旬、「情熱と闘いの星」と呼ばれる火星が、双子座で長期滞在を始めるのもまた面白い流れです。旅行やエンタメ、イベントなどはこのあたりから本格的に復活。予約制や人数制限、行動制限といったものは緩くなり、各自がそれぞれにわきまえた行動をするという流れになってくるでしょう。なかには「社会における理不尽」に声を上げていく人もいらっしゃるかもしれません。怒りも、悔しさも、ちゃんと時代を変えていく力にできます。大事なのは、ただ声を張り上げるだけでなく、頭を使うこと。どうすれば話を聞いてもらえるか、何をゴールにすべきか。宮沢賢治は知人に宛てた手紙のなかで「かなしみはちからに、欲りはいつくしみに、いかりは智慧にみちびかるべし」と書いていますが、まさにそれが当てはまる時期となるでしょう。悲しみが大きくなれば、怒りに変わります。軽視してはならないと、私は思うのです。

さて、冒頭で新しいサイクルに入っていると書きましたが、10月末から12月下旬にかけて、木星はふたたび、5月まで滞在していた魚座に戻ります。忘れ物を取りに行くように、何かを確認するように。この2カ月弱の間、「何かを手放す」という印象的な体験をする人はとても多くいそうです。悲しい話ではなく、とても気持ちよく、未来のために「終わったもの」として空に放つイメージでしょうか。ただ、もしもこの時期に手放すものが思いつかなかったとしたら、それはそれでOKです。大事なのに、無理やり自分から引きはがすようなことをしたら、自分がかわいそうです。人生にはときどき、無意識のなかでモノやご縁や場所に、エンドマークをつけていることがありますね。それに気づくのは、ずっとずっとあとになってからのことで。今は思いつかない人も、いつか人生の岐路に差し掛かったとき「そういえば、2022年の秋に……」と思うに至るのかもしれません。ちゃんと手放していた自分を、誇らしく思いながら。

12月20日、ラッキースター・木星はふたたび牡羊座に入ります。ここからは、まっすぐに前に向かって進んでいきます。初夏から秋にかけて世の中を満たしていた、エネルギッシュな空気がふたたび戻ってくるでしょう。後ろを振り向くことなんて、忘れてしまうくらいの勢いで。

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