『懐かしい』がトレンドに? レトロ回帰を分析します(編集S)

ランウェイやストリートでのトレンドを見ていて「あ、この感じ懐かしい」と思う機会が増えていませんか? 流行は巡るもの、と言いますが、最近はよりそのムードが顕著に感じられるように思います。SPUR8月号では、そんな“レトロ”なキーワードを切り口に、今の気分を読み解いていきます。合計12ページでお届けする、題して「未来へのレトロ回帰」。 

たとえば、ラフ・シモンズを筆頭にユースなブランドの間でも散見されたサイケデリックなモチーフ。ジャーナリストのティファニー・ゴドイさんはこれを「1960年代後半から70年代にかけてドラッグが引き起こす幻覚症状によってサイケデリック文化が生まれましたが、若者たちがベトナム戦争や大量消費社会に反抗した当時と今の状況は似ていると思います」と語ります。

ニューヨークからはアナ・スイさんが自身のクリエーションの源や、“レトロ回帰”な潮流についても言及。そしてチョポヴァ ロヴェナにも見られるミックスマッチを先取りしたデザイナー、Bill Gibbって? パンクの再来、リラクシングで華やかなホーム・ドレスの系譜。CELINEなどに見られる、どこか乙女的でロイヤルな世界観は70年代の少女漫画を彷彿とさせる?、そして伝統をノスタルジックな視線で見つめる中国のファッション事情、などなど。トピックを羅列しましたが、ぜひ興味のあるページから、読んでみてください! こちらは取材させてもらった、ジャン=ポール・ゴルチエのコレクター、Lordwargさん。SPURのために撮り下ろしてくれました。

photography: Skye Tan
photography: Skye Tan

6年ぶりのプレタポルテの再始動が発表されて間もないですが、Lordwagさんは約1000点ものピースを所有しています。「90年代半ばに発表されたゴルチエの作品は、今の時代に最もふさわしいもの」という言葉も印象的です。

ファッションには時代のムード、私たち自身の気分、社会情勢などが色濃く反映されています。「なぜ今この服が着たいんだろう?」という素直な疑問から、ぜひ“元ネタ”も掘ってみませんか?

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