2026.06.30

「これ、私の足のニオイ……?」今日からできる、正しい足の洗い方とセルフケアを皮膚科専門医に聞く

夏の足は、ニオイの巣窟。靴を脱いだ瞬間に「これ、私の足のニオイ?」とドキッとしたことはないだろうか? そもそも手はこまめに洗うけれど、足は外出先で簡単には洗えない……。だとすれば、どんな対策ができるのだろう。

意外と知らない正しい足の洗い方や、爪まわりの角質オフをはじめとしたセルフケア、出先でできる対処法などを、フットケアの第一人者として知られる、皮膚科専門医の高山かおる先生に聞いた。

夏の足は、ニオイの巣窟。靴を脱いだ瞬間に「これ、私の足のニオイ?」とドキッとしたことはないだろうか? そもそも手はこまめに洗うけれど、足は外出先で簡単には洗えない……。だとすれば、どんな対策ができるのだろう。

意外と知らない正しい足の洗い方や、爪まわりの角質オフをはじめとしたセルフケア、出先でできる対処法などを、フットケアの第一人者として知られる、皮膚科専門医の高山かおる先生に聞いた。

INDEX
高山かおる先生プロフィール画像
埼玉県済生会川口総合病院皮膚科部長、東京医科歯科大学(現東京科学大学)臨床准教授高山かおる先生

1995年、山形大学医学部卒業。医学博士・皮膚科専門医。2015年より現職。足の大切さを社会に知ってもらう目的で一般社団法人足育研究会を組織し、啓発活動を行っている。

1. 足はなぜ臭くなる?

足のニオイは、他の部位とは違う、“足独特のニオイ”がする。毎日シャワーをしていても、靴を脱ぐとモワッと臭ってしまうのだ。そもそ、なぜ足は臭くなるのだろう?

「これ、私の足のニオイ……?」今日からでの画像_1

——足が臭くなる根本的な理由はなんですか?

汗は、もともと無臭です。足の皮膚も、何もなければ臭うものではありません。それなのに臭うのは、皮膚の上にいる常在菌や細菌が、汗や皮脂、角質を分解する際に「ニオイ物質」を出すからです。特に「イソ吉草酸(いそきっそうさん)」という悪臭成分が、足特有のニオイの原因として知られています。

——足の中でも特に、どこから臭うのでしょうか?

まず、爪まわりに古い角質が溜まっていることが多いですね。また指の間は汗が溜まりやすく、皮脂も多い場所。それから、かかとは角質が分厚くなっていますよね。角質が多い場所には、ニオイの元になる常在菌や細菌もたくさんいます。

また、毎日同じ靴を履いたり、一日中靴を履いたまま(靴を脱げない)、蒸れやすいストッキングを長時間履いているなど、菌が増えやすい条件が増えれば増えるほど、足は臭いやすくなります。ライフスタイルによるところも大きいです。

——皮膚の病気、例えば「水虫」に罹っていると特に臭うということはありませんか?

水虫そのものはニオイの原因になりにくいと言われています。臭う原因となるのはやはり細菌なので、水虫により肌コンディションが悪化することで、二次的にニオイが発生することはあります。
一方で、細菌が原因となる「点状角質融解症」という病気では、強い悪臭が出ることがあります。子どもに多い疾患ですが、足の裏に小さな穴がたくさん開いたような見た目が特徴です。

——多くのケースは、常在菌や細菌と皮脂・汗による相互作用がニオイの原因。とするとやはり汗をかきやすい夏は、臭いやすくなる原因がそろっているわけですね。

そうですね。病気というよりも、足のニオイは環境や衛生面の問題であることが主です。そもそも足のケアが不十分だったり、間違っていたりする人も多いですよ。

2. 意外と知らない、足のセルフケア

手洗いは習っても、足の洗い方を教わる機会は意外と少ないもの。高山先生によると、足のニオイ対策の基本は「正しく洗うこと」だという。

①基本の“キ”|足の正しい洗い方

「これ、私の足のニオイ……?」今日からでの画像_2

——足のニオイ対策で、まず見直したいのは何でしょうか?

ズバリ、足を洗うことです。皮膚がキレイであれば雑菌が少なくなるので、臭う原因が減ります。基本的には1日1回正しく洗えれば十分。1日の汚れを落とすという意味では、夜の入浴時がいいでしょう。

傷がつくと雑菌が発生する原因にもなるので、洗うときはやさしく。ゴシゴシ強くする必要はありません。皮膚に傷をつけないように、泡を転がすように洗うのがポイントです。
指の間は洗いにくいのですが、指の付け根の骨と骨の間を押すと、指の間が開きます。こうすると楽に間を洗えるはずです。また足も皮膚の一部ですから、乾燥も大敵。乾燥すると傷がつきやすくなるので、保湿剤でのケアも行いましょう。

【正しい足の洗い方】

① 石けんをよく泡立てる

② 足裏全体をやさしく洗う

③ 指の間を開きながら洗う

④ 爪まわりや爪の溝はやわらかいブラシで洗う

⑤ 最後に水気をしっかり拭き取る

⑥ 乾燥しやすい部分は、ローションやクリームなどの保湿剤でケアをする

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——足用のケアグッズも色々ありますが、最低限あった方がいいものは何でしょう?

爪まわりは特に汚れがたまりやすいため、ブラシを使ったケアがおすすめです。専用ブラシもありますが、市販のやわらかめの歯ブラシでも代用できます。その際は、「やわらかめ・細め・高密度」を意識して選ぶといいでしょう。また、フットグルーマー(足専用のブラシ)は、足の裏や指の間を効率よく洗えるため、足洗いの習慣化にも役立ちます。足用のソープは、薬用・抗菌タイプのものを選んでください。

自分が思うよりも、足は汚れています。皮膚に傷をつけないように心がけながら、汚れをしっかり洗い落とすようにしましょう。臭う、臭わないに関わらず、水虫予防にもなりますから、習慣にしてほしいですね。

【足ケアに使いたいグッズ】

□薬用かつ抗菌作用のある足用ソープ

□「やわらかめ・細め・高密度」の歯ブラシや爪ブラシ

□足裏を洗いやすいフットグルーマー

②ニオイの温床?|足の爪まわりのケア

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——爪の間の角質もニオイの原因になるそうですが、爪ケアをする上での注意点はありますか?

爪の溝に垢や角質が溜まっている方は意外と多いですね。これは、先ほどと同じブラシで取り除きましょう。甘皮は爪を保護する大事なバリアなので、無理に取らないようにしてください。また、足の健康のためには正しい爪切りを心がけてほしいですね。

【爪まわりの角質ケア】

① 入浴時に爪まわりを観察する

② やわらかいブラシで爪の溝や、爪と皮膚の間をやさしく洗う

③ 洗浄後はしっかり乾かす

④ 保湿剤で乾燥を防ぐ

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足爪は「短いほど清潔」は間違い!

高山先生によれば、足の爪は深爪にせずに四角く整える「スクエアオフ」が基本。爪を短く切りすぎると、巻き爪や陥入爪、歩行トラブルの原因になることもあるので、正しい切り方をマスターしておこう。

【「スクエアオフ」の爪の切り方】

①仕上がりよりも少し長めにカットするイメージを持つ
②爪切りの下の刃を爪に当て、右端から少しずつカット
③そのまま最後まで切らず、左端は爪切りの右側を使ってカットオフする
④仕上げとして、ヤスリを一方向に動かして整える

③なんとかしたい!|出先でできる対処法

会食や座敷、友人宅など、靴を脱ぐ場面で足のニオイが気になることも。そんなとき高山先生がおすすめするのは、まず汗と雑菌をサッと取り除くこと。

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——外出先で足のニオイが気になったとき、応急処置としてできることはありますか?

とにかく菌がニオイの元になるので、まずは雑菌対策を。例えば「素足+サンダル」の日なら、応急処置として、殺菌効果を期待できる汗拭きシートで指の間までしっかり拭き取るとニオイ対策になります。

できるだけ蒸れにくい素材や形状の靴を選ぶことも大切です。抗菌作用のあるストッキングや靴下、インソールなども取り入れるといいでしょう。靴を脱ぐ機会があるなど、特に気をつけたい日は、ストッキングや靴下を履き替えるのも一案です。

また、連続履きはしないようにして「1日履いたら、1日乾かす」というローテーションを習慣にしたいですね。サンダル、スニーカー、インソールなど、洗える素材は、気になったタイミングで中性洗剤で表面を拭いたり洗うのも効果的。そのあとは、しっかり乾かすことが大切です。

【シチュエーション別 出先での対処法】
〈素足+サンダルの日〉

⚫︎ 殺菌効果を期待できる汗拭きシートで指の間まで拭く

⚫︎ 制汗剤やニオイ対策アイテムを活用する(制汗目的ならミョウバンや塩化アルミニウム配合、ニオイ対策目的なら抗菌剤やAg配合のもの)

 

〈ストッキング+パンプスの日〉

⚫︎ ムレを予防するインソールを使用する

⚫︎ 抗菌素材のストッキングを選ぶ

 

〈靴下+スニーカーの日〉

⚫︎ 替えの靴下を持ち歩く

⚫︎ 抗菌素材の靴下を活用する

3. これは避けて! 足のニオイを生むNG行為

——髪、肌、ボディのケアはしっかり続けている人も、足は後回しになりがちです。

足だけでなく皮膚というのは、きちんと洗って基本的なケアをしておけばトラブルになりにくい臓器なんです。清潔にする、傷をつけない、保湿をするといったことです。

ですから足が臭うとすれば、普段の衛生やライフスタイルのどこかが間違っているということになります。終日靴を履いている人は、1日の終わりにしっかり洗ってほしいし、できるだけ蒸れにくい素材の靴を選んでほしいですね。雑菌が原因なのか、制汗剤が必要なのか、人それぞれに改善できる部分があると思うので、自分には何がフィットするのか考えてみましょう。

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最後に、これは避けたいというNG行為を、高山先生にあげてもらった。しっかりチェックして、足のケアに役立てて。

【足のニオイの原因になる、NG行為】

□毎日同じ靴を履く
→ 靴の内部が乾燥せず、雑菌が増えやすい 

 

□ニオイ対策を消臭スプレーだけで済ませる
→ 汗や角質、細菌そのものは除去できていない

 

□爪を切る際、深爪をする
→ さまざまな爪のトラブルや歩行機能低下につながる 

 

□足をきちんと洗わない

→ シャワーで流すだけでは不十分。指の間、爪の溝まで洗う習慣を

 

□強くこすって洗う
→ 皮膚を傷つけ、かえって雑菌が増えやすくなる 

 

□角質を削りすぎる
→ 皮膚を傷つけてしまうことがある 

 

□保湿をしない

→乾燥によるキズや、角質ケア後のダメージを防ぐために、保湿は欠かさずに

足のニオイ対策というと消臭アイテムに目が向きがちだが、実は大切なのは毎日の洗浄と爪まわりのケア、そして靴の管理。汗をかきやすい夏こそ、足を「洗う・乾かす・保湿する」を習慣にして、ニオイの原因を根本から減らしていきたい。ニオイの気にならない、清潔な足で夏を思い切り楽しもう!