【ミュウミュウ】のローファーと迎える秋 #深夜のこっそり話 #1809

日中はまだ半袖で十分だけれど、少しずつ秋ムードも取り入れたい。「そんなときは、ローファーがいちばんよ」(中川李枝子さんの絵本『ぐりとぐら』風)。毎年9月になると、この自作の一節が脳内にこだまします。ブーツを履くには尚早なんじゃないか。でもサンダルはそろそろしまいどき。とはいえTシャツにスニーカーだと、ちょっとラフ過ぎ? パンプスだとかっちりし過ぎ? あれこれ思案した結果、「素敵なローファーを一足持っておけば間違いない」という最終結論に至った次第です。

人気のアイコンシューズの新作

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念願のミュウミュウのペニーローファーをおろした日。価格は¥154,000でした。

9月の始まりとともに熱烈歓迎したのは、2年前から狙っていたミュウミュウのペニーローファー。2022年春夏シーズンのショーで目撃して以来、恋焦がれていた一足です。2年間じっくり悩み抜いて、「買えなくなって後悔するくらいなら!」と思い決断しました。15万円超のビッグなお買いもの。いまだにちょっと動揺していますが、おろした日の高揚感といったら!

ピカピカに輝くブラックレザーの美しさ。オーセンティックな佇まいはそのままに、甲の切れ込みにコインを挟むユーモアと自由なマインド。ブランドのエスプリが詰まったプレイフルなデザインは、見るたびに、足入れするたびに、惚れ惚れします。

遊び心と反骨心を取り入れたデザイン

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ヴィンテージライクなコインにグッときます。

ちなみにこれは補足ですが、もともとローファーというのは1950年代にアメリカの大学生が制服の一部として履いていたもので、制服着用に反抗した学生たちが甲の切れ込みに1セント硬貨(ペニー)を挟んでいたことから、「ペニーローファー」と呼ばれるようになったという説があります。当時の若者たちの反骨的なアティチュードを取り入れながら、巧みにモードに昇華させるところもまた、ミュウミュウならでは。ヴィンテージライクなコインが、さりげないアクセントになるのもポイントです。

ボリュームソールが旬のムード

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しっかりと高さのある7.5cmヒール。

一番の決め手となったのは、シューズのボリュームです。正統派のフラットソールももちろん素敵ですが、チャンキーヒールにアレンジされたモデルを初めて見たときは、ハートのど真ん中を射抜かれた気分でした。大胆さがありながらもタフ過ぎず、そこはかとなく漂う気品。ミュウミュウらしいガーリーさもほんのり味付けされていて、ああ、もう最高!

ヒールの高さは7.5cmとしっかりあるのですが、前後の高低差が比較的少なく、丸みを帯びた幅広のトゥも相まって、見た目以上に歩きやすいことにも感動しました。取材→撮影→展覧会と、朝から晩まで立ちっぱなし&歩きまくりの詰め込みスケジュールの日に履いても、靴ずれはいっさいなし。さすがに疲労困憊でしたが、自宅まで歩き切ることができました。

スニーカーよりシックで、パンプスよりもくだけたムード。程よくクラシックで、チャーミング。幅広いスタイルにマッチし、タイムレスに履き続けられる。決して安い買いものではなかったけれど、長い目で見れば、むしろコスパがいいんじゃないかと思うくらいです。この靴となら、どこまででも行けそうな気がする。秋冬のおしゃれが、ますます楽しくなりそうです。

エディターHAYASHIプロフィール画像
エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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