【香水】自分に合った香りの選び方、つけ方のコツをプロが伝授!

香りを選ぶ方法、まとうコツ

自分に似合う香りがどんなものかわからないときや、フレグランスの好みが変わってきたときに頼りたいのがプロフェッショナルによるコンサルテーション。今回は定評あるブランドの二人に選ぶ基準を学ぼう。

フエギア1833

フエギア1833
最新作はアルゼンチンのイベラ湿地をテーマにした3作。(右から)水晶のような透明な水を表現したクリスタル デル イベラ 100㎖ ¥60,500・花々の甘い蜜とサンゴ礁の美しい生命力を讃えるネクター デ コーラル 100㎖ ¥61,600・ルビーの輝きと煙の香りがイメージのウモ デ ルビー 100㎖ ¥79,200/FUEGUIA 1833 Roppongi

アルゼンチン発のフレグランスメゾン。創業者で調香師のジュリアン・ベデルが、その時期に採れる最高峰の天然香料から作る稀少な香りを取り扱い、世界的人気を誇る。

嗅いで、試してを繰り返し、オンリーワンを絞り込む

"ニッチラグジュアリー"というフレグランスブームの牽引役のひとつ、アルゼンチン発のパフューマリー「フエギア1833」。コンサルテーションは約60〜90分程度。香りの嗜好やライフスタイル、性格などに関する20問程度の質問に答えることからスタート。その答えをもとにスタッフが選んだ3〜4種類の香りを吹きつけたフラスコを嗅ぎ、苦手なものをはずしていく。その工程を複数回経て、最後に残ったものが、今の自分の気持ちにぴったりのフレグランスとなる。

春薗さん曰く「ビギナーで、自分の嗅覚でフレグランスを選べない方におすすめです。香りの好みが短期間で大きく変わることはないので、頻繁に行う必要もありません。2回目を受けるときは結婚や出産、引っ越しや転職などライフステージに劇的な変化があったときがいいですよ」。

また、フレグランスの正しいつけ方のアドバイスも。「空間にシュッと吹きつけて、その中をくぐるというつけ方が提案されることがありますが、あまりおすすめしません。リチュアルとしてならいいのですが、香水の粒子は非常に細かいので衣服などの繊維の上は滑ってしまい、意味がありません。肌の水分量やpH値、体温でも変わるので、素肌に直接つけるほうがいいですね」

※コンサルテーションは事前予約必須。受け付け開始は公式ホームページよりご案内。

フエギア1833の香水を熟知したスタッフ

春薗さんをはじめ、フエギア1833の香水を熟知したスタッフが、質問に対する回答を参考にセレクト。香りを試すのは紙のムエットではなく、より香りの真の姿に近いガラスのフラスコで行う。

春薗美樹プロフィール画像
春薗美樹

ブランドが日本に上陸した2015年当初からグランドハイアット東京の六本木店のマネージャーを務める。現在120種余りあるフエギア1833のフレグランスを熟知。香りを表現する言葉が美しく、その接客にファンも多い。

ダウン パフューム

ダウン パフューム
日本人の肌に多いムスクタイプに合わせ、以下の香りを杏さんが提案。(左から)肌タイプを判別する試験薬の役割を果たすフォーミュラX、みずみずしいルバーブを用いたグリーンノートのアメ、南国の楽園を思わせるウッディスパイシーなタージガーデン、ミュゲやハニーサックルの清涼感あふれるフローラルのレイン。すべてオードパルファン 30㎖ 各¥14,300/ダウン パフューム

ロッキー山脈の湧き水と植物性エタノールと数十種類の植物性ベースの香料から作るボタニカルフレグランスのブランド。

肌がもともと持っている匂いと相性のいい香りを探す

「ダウン パフューム」は香りスタイリストでディレクターの杏喜子さんが手がけるブランド。アメリカ・コロラド州在住の調香師ドーン氏と出会い、2008年にスタートした天然香料で作ったナチュラルフレグランスを提案する。不定期に行なっている"SMELL&TELL"というパーソナルコンサルテーション(※要予約 ¥12,000)はすぐに予約枠が埋まってしまうほどの人気。

杏さん曰く「肌にはもともとその人が持っている匂いがあり、その上に香りを重ねるので、同じフレグランスでもつける人によって香り立ちが変わることがあります。肌の匂いは大きく分けて約9種類あり、日本人は甘く香る"スウィート"、石けんのような香りの"ムスク"が多く、ほかにノートを大きく変化させない"ニュートラル"、どんな香りも落ち着かせてしまう"ウッディ"などがあり、匂いの特性によって相性のいい香りがわかるというものです」。

たとえば、スウィートタイプがバニラや花の甘い香りをつけてしまうと過剰に感じられる傾向にあるため、甘すぎないものがいい。また、ムスクタイプは飛びやすいシトラス系の香りも比較的長く香る肌のため、トップからミドルに比重のある香りと相性がいいと杏さんは語る。香調自体が好きで選んだフレグランスを、自分でまとうとピンと来なかった経験がある人にピッタリだ。

杏 喜子

その人自身の肌の匂いを浮かび上がらせるフレグランス「フォーミュラX」をつけたあと、杏さんがその部分を嗅ぎ、タイプを調べる。環境や年齢によって変化することも。

杏 喜子プロフィール画像
杏 喜子

幼い頃から香りの世界に興味を持ち、アロマセラピーやカラーセラピーを学ぶ。2008年に自身のブランド、ダウン パフュームを立ち上げる。イベントの告知などはInstagram: @dawnperfume_anzuをチェック。

地球に優しい名香を知る

天然香料や環境に配慮したパッケージの採用、動物実験の禁止などフレグランス界にもSDGsの流れが到来!化学溶媒を必要とするアルコールではなく、ウォーターベースの水性香水の人気も高まっている。

【香水】自分に合った香りの選び方、つけ方の画像_5

1 エナジャイズする香り

天然精油をベースに脳波解析の第一人者と研究し生まれたフレグランス。ひと吹きで、爽やかなローズマリーやタイムを感じて。サイプレスやモスが心を落ち着かせるスモーキーウッディ。

マインドフル フレグランス シグネチャーパフューム セルフエンパワーメント 40㎖ ¥12,500/シンピュルテ

2 香りもジェンダーフリー時代

環境や社会に配慮した公益性の高い事業の認証、B Corp取得企業イソップのフレグランスはアザートピアスが着想の源。クリアなフローラルとシダーのウッディベースが融合し、異世界へと誘う。芳醇な香りはジェンダーの境界も超えて。

イーディシス オードパルファム 50㎖ ¥22,550/イソップ・ジャパン

3 やわらかな、水性香水

アルコールやエタノールを使用せず、天然由来成分を配合した水性香水は肌に優しく、香り立ちがまろやか。レモングラスやオレンジブロッサムが溶け込む。リサイクル可能な素材とスチールでできたボトルを採用。

オー・トリプル イリス・ドゥ・マルト 75㎖ ¥20,350/オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

4 天然オイル配合の水性香水

450年にわたる、日本の香の名跡をバックグラウンドに誕生した日本発のメゾンフレグランス、KITOWA。モスを中心に、深いサイプレスやサンダルウッドなど稀少な原料を配合した。アルコールフリーで、ナチュラル処方の水性フレグランス。

オー・エクロジオン モス・テンプル 50㎖ ¥18,150/KITOWA

5 環境に配慮した容器採用

100%自然由来の香料を配合。ボックスの紙はすべて再生素材、ボトルにはリサイクルガラスを15%使用し、環境変化の負荷低減に努めている。木の王様と呼ばれるオークのぬくもりある調べ。

クロエ アトリエ デ フルール オードパルファム シェーヌ 150㎖ ¥37,180〈限定発売〉/ブルーベル・ジャパン

6 精油のみで香りを構築

合成香料不使用、精油のみで作られたプラントベースのフレグランスから数量限定で桜をイメージした香りが登場。毎年、新しい春を彩る、儚くもたくましい桜の木々を表現した軽やかなウッディフローラル。

エッセンシャルセンツ X02 SAKURA MIDTOWN オードトワレ 9㎖ ¥5,390〈限定発売〉/THREE

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