関西では初の大規模個展。「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」、滋賀県立美術館で開催中

​​滋賀県立美術館では現在、企画展「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」を、2023年3月26日(日)までの会期で開催中。この10年の活動に焦点を当て、未発表作品も織り交ぜながら川内作品の本質に迫る内容で、川内の故郷・滋賀で開催され、関西では初めてとなる大規模個展。特集展示「川内倫子と滋賀」も併せて楽しめる。

滋賀県立美術館では現在、滋賀県生まれの写真家・川内倫子による大規模な企画展「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」を開催中。本展は川内にとって、国内では6年ぶり、関西では初の大規模個展となる。

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川内倫子《無題》(シリーズ〈M/E〉より)2020

川内は2001年に『うたたね』『花火』『花子』の3冊の写真集を同時に出版して写真界にデビューを果たし、翌年には第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。2022年11月には国際的な写真賞として知られるSony World Photography Awards 2023で、日本人初の特別功労賞を受賞するなど、国内外で活躍してきた。

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川内倫子《無題》(シリーズ〈M/E〉より)2019

本展は、初期から一貫して人間や動物、あらゆる生命がもつ神秘や輝き、儚さ、力強さを撮り続けてきた川内の、この10年の活動に焦点を当てたもの。タイトルに掲げられた〈M/E〉とは、本展のメインとなる、2019年以降にアイスランドや北海道の冬景色やコロナ禍に自宅周辺で撮影した家族や生き物の姿といった身近な風景など、マクロとミクロの視点から自然の姿を撮影したシリーズの名前。MとEは「母(Mother)」、「地球(Earth)」の頭文字であり、続けて読むと「母なる大地(Mother Earth)」、そして「私(Me)」でもある。

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川内倫子《無題》(シリーズ〈あめつち〉より)2013

新作と併せて、東日本大震災直後の石巻・女川・気仙沼・陸前高田といった被災地を撮ったシリーズ〈光と影〉や、熊本県阿蘇市の野焼きなどの様子を5年間にわたり4×5のフィルムカメラで撮影したシリーズ〈あめつち〉などの作品も。写真に加え、映像作品やインスタレーションなども展示されている。

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川内倫子《無題》(シリーズ〈M/E〉より)2019

会場構成を手がけたのは中山英之建築設計事務所。「自分が作品を制作する際に感じた感覚や経験を、展示空間において鑑賞者と共有したい」という川内の思いに応えたものとなっており、白い薄布で構成されるトンネルのような空間なども。作品世界に没入することができる。

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川内倫子《無題》(シリーズ〈やまなみ〉より)2018

本展の開催に合わせ、常設展会場でも、川内の作品の中でも特に滋賀との関わりの深いものを特集展示する「川内倫子と滋賀」を開催中。2021年に美術館のリニューアルオープンのために撮り下ろされた作品や、滋賀県甲賀市にある福祉施設「やまなみ工房」を約3年にわたって撮影したシリーズ〈やまなみ〉などを展示する。また、同工房所属作家の作品も川内の作品と同じ空間で展示されているので、こちらもお見逃しなく。


企画展「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」
会期:〜2023年3月26日(日)
会場:​​滋賀県立美術館 展示室3(滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜
観覧料:一般 ¥1,300、高・大生 ¥900、小・中生 ¥700
https://www.shigamuseum.jp/

 

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