宮世琉弥 キッチンに立つ彼。料理の時間で、"ととのう"暮らし

2022年、大躍進を続ける俳優のひとりである宮世琉弥さん。映画やドラマをはじめ、数々の話題作に登場し、今まさにスターダムへ駆け上がろうとする彼は大の料理好き。夢を追いかけるためのエネルギー源として調理を楽しみ、食べることを愛する彼の素顔に迫る。おすすめのレシピもSPURのために特別に公開!

夢のため、自ら腕を振るう若きコックの肖像

宮世琉弥 キッチンに立つ彼。料理の時間での画像_1
ジャケット¥105,600・シャツ¥35,200・ショーツ¥51,700/マスターピースショールーム(サイベーシックス) エプロン¥8,030/アイリーン バイ グロッググロッグ 靴下¥24,200/サザビーリーグ(ジ エルダー ステイツマン) 靴¥19,800/サファリ4号店 その他/スタイリスト私物

宮世さんは「料理をすることって、自分にとっては当たり前。キッチンに立つことで、心がリフレッシュするんです」と語る。トラッドなブレザーとパンツというスタイルに、ヴィンテージのエプロンやコック帽を合わせて遊び心をプラスして。

メニューを決める時間も装う心を忘れずに

宮世琉弥 キッチンに立つ彼。料理の時間での画像_2
ジャケット¥112,200/Acne Studios Aoyama(Acne Studios) 中に着たカットソー¥35,200・タイツ¥39,600(ともにホームレステイラー)・パンツ¥50,600(マービン ポンティアック)/オーバーリバー 眼鏡¥66,000/オプティカル テーラー クレイドル 青山店(ディータ) ヘアバンド/スタイリスト私物

ロマンティックな花柄のガウンを羽織り、リラックスしながらメニューを思案する。「料理をすることと同じくらい、"今日は何を作ろうかな?"ってゆっくり自宅で考える瞬間を大事にしています」。

エネルギッシュな色を味方につけて、下準備へ

宮世琉弥 キッチンに立つ彼。料理の時間での画像_3
アウター¥105,600・シャツ¥61,600・パンツ¥59,400/メイデンズ ショップ(カミエルフォートヘンス) Tシャツ¥20,900/A.P.C. 靴¥57,200/マスターピースショールーム(サイ マーカンタイル) 靴下/スタイリスト私物

太陽の光を浴びて育った野菜の色を彷彿とさせるカラフルな装いで買い出しへ。「スーパーで食材を探すのが一番楽しいかも! 旬の素材を直接見るのも心躍りますし、新しいレシピに挑戦しよう、という気分になります」。

モードな料理人も、ときにこっそりつまみ食い

宮世琉弥 キッチンに立つ彼。料理の時間での画像_4
トップス¥52,800/オーバーリバー(ホームレステイラー) Tシャツ¥15,400/A.P.C. スカーフ¥29,700/サファリ5号店

キッチンに立つ前に、腹ごしらえを。胸元にはナプキンに見立てた色鮮やかなスカーフを添えて。「料理だけでなく、食べることももちろん大好き」と話す。野菜たっぷりのキッシュを元気よく頰張りながら、頭の中では調理の段取りを復習中。

自分らしく装う彼は今日もキッチンに佇む

宮世琉弥 キッチンに立つ彼。料理の時間での画像_5
オーバーオール¥85,800(グルメジーンズ)・シャツ¥41,800(マービン ポンティアック)/オーバーリバー Tシャツ¥17,600/A.P.C.

朗らかに料理を楽しむ宮世さんもキッチンに立てば、その目は真剣そのもの。鉄板メニューから、チャレンジレシピまで果敢に取り組む。調理に集中するときは動きやすさを保証する日本発のデニムブランド、グルメジーンズのオーバーオールを。内には、料理人のユニフォームを彷彿とさせるシルエットのトップスを仕込んで。

 

RYUBI's KITCHEN

「自宅で過ごすときは、ほぼ自炊です」と語る宮世さん。限られた時間でもおいしいものを作って食べたい、根っからのフーディがとっておきのひと皿を紹介する

本日のひと皿:トマトのコンポート

材料(2個分)
水……………………………………適量
砂糖………………………………適量
トマト(大)…………………………2個
白ワイン…………………………800㎖
はちみつ……………………………適量
ミントの葉…………………………適量

作り方
❶トマトのヘタはそのままに、ヘタの反対側に薄く十字の切り込みを入れる。
❷鍋に水を入れて湯を沸かし、沸騰したら①のトマトを入れる。数分置き、切れ目から皮がめくれてきたら、取り出す。
❸取り出したトマトを冷水につけ、皮をむく。
❹湯むきしたトマトを別の小鍋に移し、トマト全体が浸かるくらいの量の白ワインと砂糖を入れ、弱火で20〜30分(好みの硬さになるまで)煮込む。
❺20〜30分煮込んだ後、好みに合わせてはちみつを鍋に入れる。宮世さんのおすすめはトマト1個あたりティースプーンひとさじほどの分量をまんべんなくかけること。
❻ミントの葉を添えて完成。

宮世琉弥 キッチンに立つ彼。料理の時間での画像_6
シャツ¥31,900/ルック ブティック事業部(マリメッコ) 中に着たTシャツ¥17,600/A.P.C.  その他/スタイリスト私物

1 完成したトマトのコンポートと。「このような広めの皿も食べやすいのでいいですが、ワイングラスを器として使うのも素敵ですよ。煮汁と一緒に入れて、きれいに飾りつけるとテーブルで見栄えします」
2 手際よくトマトの湯むきを行う宮世さん
3 ミントの葉でデコレート。「爽やかでいい香りなので夏にぴったり。セージなど、ほかのハーブでもいいと思います」
4 完成したトマトのコンポート。白ワインとはちみつで作った煮汁と一緒に食べるのがおすすめ

 

18歳の夢への英気はキッチンで養われる

「男子厨房に入らず」なんて言葉はもはや遺物。自ら旬の素材を選び、包丁を持ち、鍋を振るい、食を楽しむ。それが今の若い男性の間では当たり前になっている。18歳の宮世琉弥もその例に漏れず、小さい頃からごく自然に料理に触れてきた。

「小学生のときに、近所で行われていた料理教室を窓ガラス越しに見ていいなと思って。母に頼んで、妹とふたりで通いました。それが、僕と料理の初めての出合い。当時、周りは女性ばかりでしたけど、まだ小さかったこともあって全然気にならなくて。それよりも料理をすること自体が楽しくて、どんどんハマっていきました」

初めて作ったメニューはレモンケーキ。そのとき、自分が丹精を込めて作ったものを人に食べてもらう楽しさを知った。
「母から『おいしい』と喜んでもらえることがやりがいでしたし、モチベーションでした。その頃は遊びの感覚だったんですよ。料理ができるというだけで自慢になったし。中学校に上がった頃から、『将来できるようになっておいたほうがいい』という母のすすめもあって家でも本格的に作るように。レパートリーも徐々に増えていきました。今でも自宅で料理をします。最近よく作るのは、カプレーゼ。家に帰ったらさっと作れて、冷蔵庫に入れれば、数日は持つので、忙しいときも助かっています」

今回、撮影のために披露してくれたのは、トマトのコンポート。これも宮世さんの得意料理のひとつだ。
「ポイントははちみつの量。最初に作ったときは甘くなりすぎて、せっかくのトマトの酸味が消えちゃったんです。素材のよさを大事にしつつ、はちみつの甘みも味わえるバランスが重要。いろいろ試しましたが、ワンプッシュくらいで、あまり入れすぎないほうが好きですね」

おいしいごはんをエネルギーの源にして挑むのは、「演技」というゴールのない道。この秋は「君の花になる」と「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」の2本のドラマに出演。「君の花になる」では、物語のキーとなるボーイズグループ「8LOOM」のメンバーを演じる。「ダンスレッスンも始まり、必死に練習しています。僕が演じるのは、グループの盛り上げ役。練習で疲れたときはみんなのテンションを上げる役を意識しています」

「闇金サイハラさん」で演じるのは、主人公であるドSな女闇金・犀原茜の部下。
「『闇金ウシジマくん』のシリーズの新章だけあって、ダークなシーンもあるので、みなさんが刺激されすぎないかちょっと心配(笑)。キラキラなアーティストと、アンダーグラウンドな世界。さまざまな表情の僕の演技を楽しんでもらえたら」

 

ひとり黙々と取り組む料理の時間で「ととのう」生活

現在はキッチンに立つ時間もないくらい多忙な日々を送る宮世さん。だからこそ、料理をする時間がいかに大切か実感する。
「料理は自分が無になれる時間。小さい頃から親しんできたから、何も考えなくても手が動くんです。言ってしまうと、お風呂で体を洗うのと同じ感覚(笑)。それくらい僕にとって自然なものだし、料理をすることで心と体がリセットされるんです」

夢に向かってひたむきに努力する、18歳の体は自らの手料理でできているのだ。
「作品を並行して撮影しているので、切り替えに頭も体も慣れていなくて。正直つらいと思うこともありますが、こんなふうに過ごすことに憧れていたので、すごくうれしい。今年の秋は、僕にとって新しい挑戦が続きます。初心を忘れず、ワクワク感と緊張感を持って臨みたいです」

宮世琉弥
みやせ りゅうび●2004年、宮城県生まれ。俳優として、映画、ドラマ、CMなどを舞台に活躍中。出演作は「ナイト・ドクター」「村井の恋」ほか多数。今秋より放送開始予定のドラマ「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」「君の花になる」に出演予定。

SOURCE:SPUR 2022年9月号「料理の時間で、"ととのう"暮らし 宮世琉弥 キッチンに立つ彼」
model: Ryubi Miyase photography: Tatsunari Kawazu 〈S-14〉 styling: So Matsukawa(fashion), Haruka Kogure(prop) hair & make-up: NORI 〈Jari,inc.〉 interview & text: Yoshiaki Yokogawa cooperation: AFLO, Getty Images, UTUWA, PROPS NOW

FEATURE