SSENSE Buying Director Brigitte Chartrandの「アップカミングは?」

オンラインストアからモードなムーブメントを発信するSSENSE。世界中のアップカミングデザイナーから原石を探しだす"目利き"バイヤーのブリジット・チャートランドが、秋冬モードの最前線をレクチャー

 次世代ブランドが描くのはカラフルな多様性

"ダイバーシティ"の波はSSENSEにも及んでいる、とブリジットは語る。「ビッグトレンドが減る一方だから、どうやって個々のスタイルに合うものを提案するか、をいつも考えているの。たとえば、今季なら1970年代と90年代のスタイル、フューチャリズム、モダニズムといった具合に細分化して」
具体的に、たとえばSPUR読者のスタイルに合わせるなら?

「SPURのような"グッドガール"なスタイルを好むなら、おすすめはCecilie Bahnsenセシール・バンセン)。オーバーサイズなルックに、パッチワークやレースをつけたデザインはモダンかつエレガント。」

「また、ブランドの注目度でいったら、やはりメゾンのDNAを新たに確立したCALVIN KLEINカルバン・クライン)はマストね。」

「そして、多様性といえば、見過ごせないのは、エシカル、サステナブル、そしてジェンダーレスな価値観。ストリートとエコマインドの融合、という新鮮な切り口を提案するGmbHは要注目」

ファーストコレクションで新人を見抜く力にも定評のあるブリジット。筆頭はデビューコレクションをすでに買いつけずみ、というMarine Serreマリーン・セル)。先日LVMHプライズのグランプリを獲ったばかりの新星だ。
「彼女はSSENSEの今季のイチ推しよ。初コレクションにして、クリアなヴィジョンがすでにある。今季は19世紀のアラブとスポーツウェアを融合した未来的なスタイルを提案。次が楽しみなブランド。」

「また、Kwaidan Editionsクヮイダン エディションズ)の初コレクションも買いつけたわ。ロマンティックでエッジがきいたデザインは、色使いにもはっとさせられて」

アップカミングなバイイングを見る限り、SSENSEの秋冬はとてもカラフルだ。
「そうね、ネオンカラー、ブライトピンク、オレンジは今季のキーカラーだと思う。色に注目して買いつけたのは、Ienki Ienkiイエンキイエンキ)。今までにないカラフルなダウンが新鮮。」

「そしてスタイリングでも提案したのは、カラーコントラスト。たとえば大好きなのは、バーガンディとピンク。今季のバレンシアガにもあった色合わせのように。でも、Heron Prestonヘロン プレストン)の黒のタートルネックもヒットアイテムの予感」

ストリートブームから派生した多様性の波と、そこからの揺り戻しとなるグッドガールやエフォートレスシックな波。新しい多様性の潮流の中で、モードの新芽は急成長中だ。

SOURCE:SPUR 2017年9月号「SPURの最強ショッピングリスト2017」

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