ビュリーの香水でアートをまとう

香り市場が盛り上がりを見せている昨今。休日に出かけるたびに、何かしら香りものを見かけては鼻をクンクン動かしています。これがたいそう楽しくてしょうがないのですが、嗅覚を刺激する多様な香気としての魅力は勿論、ボトルに添えられた言葉やコンセプトも気になるところです。

先日NOSE SHOPに立ち寄った際には、香りにつけられたタイトルから友人と妄想を繰り広げ、ひとしきり楽しんできました(例えば、Blk Parfumsの「パスワソール|また今度ね (今夜じゃないわ)」という素敵な題など、香りとリンクしてほろ甘いシチュエーションが思い浮かびます)。

小さな瓶に詰まったテーマに心をキュッと掴まれる感覚が大好きなのですが、そんな私が愛用している一つが、ビュリーのオー・トリプル(ミロのヴィーナス)です。

「ミロのヴィーナス」というと、学生時代に国語の教科書に載っていた評論を思い出します。農夫によって偶然発見された作者不明の美しき女体の彫刻は、両腕が取れた状態。しかし、”無い”からこそ想像力を掻き立て、見る人の中で完成する美しさがあるのだという先生のお話が忘れられません。

普段は柑橘類などのフレッシュでクリーンな香りが好みなのですが、こちらは少し甘く香るロマンティックな一本。しかし、鼻にまとわりつかないすっきりとしたノートも同時に存在します。ウッディなど、ただ甘いだけではないミステリアスさに、掴み切れないヴィーナス像を感じます。

こちらは、2019年よりビュリーがルーブル美術館とコラボレーションしている期間限定シリーズのひとつ。アートにおける”不完全だからこその美しさ”って、とても素敵な概念だなと思っています。そんなマインドも一緒にまとえるロマンに、心打たれる一本です。

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エディターSASAYAMA

周囲の人の着こなしが気になって仕方ない私服ウォッチャー。
街でも目を光らせています。ミニマルで、少しひねりのある服が好きです。

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