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ソフィア・コッポラが語る 映画の中の自分自身〜UTと振り返る彼女の世界

これまでに数々のアーティストとタッグを組んできた、ユニクロのグラフィックTシャツブランド「UT」。この春、映画監督のソフィア・コッポラとコラボレーションしたTシャツが、3月6日(月)より発売開始! ローンチを記念して来日したソフィア本人に、SPURがインタビュー。

今年で監督デビュー25周年を迎える彼女は、実は今も新作を準備中だと言い、今年中のお目見えを目指しているんだとか……! そんな彼女が語る、監督としての自分自身やインスピレーションの源とは? 

「だってあなたは13歳の女の子だったことがないでしょう(映画『ヴァージン・スーサイズ』より)」——これまでにソフィア・コッポラの作品ほど、女性の心を代弁してくれた映画があっただろうか。

少女が女性としての自分に直面していく複雑な心境を描いたデビュー作『ヴァージン・スーサイズ』、大人になることを急かされた無邪気で孤独なプリンセスとしての『マリー・アントワネット』。男女間の心の繋がりを探し求める『ロスト・イン・トランスレーション』や、父と娘の歩み寄りにフォーカスした『SOMEWHERE』。そして、セレブへの憧憬をスリリングに表現した『ブリングリング』。

今回「セレブレイティング ソフィア・コッポラ UT」にプリントされた作品たちは、いずれもそんな女性の内面が深く投影された映画の数々である。淡いパステルカラーの色調に彩られ、いつ見返しても洗練されたファッションを身にまとった、主人公の女性たち。何不自由なく幸せに見えるけれど、その内面は砂糖菓子のようにもろく繊細で、今にも壊れてしまいそう。そんな心情がガラス細工のように細やかに、キラキラと描写されている。その世界観の美しさや儚さに憧れ、夢中になった人も多いはず。それと同時に、自分と同じように葛藤を抱えながらも強く生きる彼女たちを見ているだけで、心から勇気づけられたはずだ。

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着てみると『ヴァージン・スーサイズ』の五人姉妹の一員になれるかのような一枚。ソフィアらしいペールトーンの淡い色彩も、今回のコラボレーションならでは。『ヴァージン・スーサイズ』Tシャツ¥1,500/ユニクロ(UT)

『ロスト・イン・トランスレーション』に憧れて新宿のパーク ハイアット 東京に行ってみたり、はたまた『ヴァージン・スーサイズ』に自分自身の思春期を重ね、切ない郷愁に浸ったり……。そうやって何度も見返しては、ソフィア作品と共に時を重ねてきた人も多いだろう。そんなファンの期待を一身に集め、5年ぶりに来日したソフィア。ピンクと水色の格子柄のジャケットに、今回のUTとのコラボTシャツを合わせ、颯爽と姿を現した。透き通るようなピュアな輝きと理知的な眼差しは、まさに彼女の作品群を象徴しているかのよう……! 神々しくも感じられるその威厳に圧倒されながらも、「『SPUR』は常に、貴方をシスターフッドカルチャーの先駆者としてリスペクトしてきました」そう伝えるとにっこりと微笑んでくれたソフィア。

「私は常に女性としての自分の視点を大切にしてきたし、これからも持ち続けたいと思っている。私はどの作品にも私自身を投影しているの。私自身も年を重ねて、映画のキャラクターの年齢や状況は作品ごとに変わったりしているけれど、常に女性としての私自身を意識してきた。その方が自分に寄り添ってくれているように思えるし、観る人にとってもパーソナルなものになってほしいから。映画を通して、観客と繋がりたいと強く思っているの」

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イベントに着用していたのは、東京が舞台となっている映画『ロスト・イン・トランスレーション』のセリフをプリントしたTシャツ。今回は来日に合わせて、東京を思い出すようにこちらのTシャツを選んだとのこと。文字の淡いブルーの色合いもお気に入りだそう。 『ロスト・イン・トランスレーション』Tシャツ¥1,500/ユニクロ(UT)

そう語る彼女は、90年代の日本からも強く影響を受けたという。「私は幼い頃から両親に連れられて、日本に来ていたの。20代になった頃は、MILKFED. の仕事や、雑誌の撮影でよく訪れていたし。90年代の東京は、アメリカよりもずっと“ガーリーカルチャー”が盛り上がっていて、そこで目にした写真や映像は私のルーツとなっていると思う」

思い起こすと90年代、日本ではギャルムーブメントが盛り上がったり、世界では第3波フェミニズムの流れが興ったりと、“女性による女性のためのカルチャー”時代の幕開けのように思われる。そんな時代に彗星のごとく現れた彼女の作品といえば、幻想を閉じ込めたかのようなドリーミーなストーリー、ポップスからロックまで幅広く選曲されたセンスの良いサウンドトラックが魅力的だ。彼女は一体、どんなカルチャーに魅了されてきたのだろう。

「最も影響を受けているのは、フォトグラファーのウィリアム・エグルストン。作品によって、インスパイアされるアーティストはいつも違うのだけれど、それでもいつも戻ってきてしまうアーティストはまさしく彼。彼の色彩感覚にとても惹かれるし、参考にしているの。音楽に関しては、撮影のセットでかかっているものからインスパイアされることも多いかな。映画を撮影している時の雰囲気も、作品の空気に大きく影響してくるから、そこから発展してサウンドを選ぶことも」

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1997年の誌面を見て。26歳だったソフィアは、当時のアナ•スイ秋冬コレクションの中でもお気に入りだったというランジェリーライクなドレスに、小悪魔のようなヘッドアクセサリーをつけたキュートな姿で登場。興奮しながら、少しはにかんだ笑みも浮かべてくれた。

彼女は若い才能を発掘することにも優れており、今回、ユニクロとのコラボレーションに向けて制作した特別映像「I <3 NYC」では、若手監督であるジーニー・スイ・ワンダーズを起用。ニューヨークを舞台に、今回のUTとのコラボレーションTシャツを着て街を闊歩する少女やスケートボードで駆け抜ける少年たちを描いた。ジーニーはかのアナ•スイの姪でもあり、映画『ビガルイド 欲望のめざめ』で助手も務めていたことから今回参画してもらったそう。

実は1997年10月号の『SPUR』にて、アナ•スイによるスタイリングで登場してもらったソフィア。当時の誌面を見てもらったところ、大喜び! 「この撮影のことはもちろん覚えているわ!」と、懐かしそうに振り返ってくれた。

そんなソフィアは、バンドのTシャツのコレクションも多いんだとか。「特に思い入れのあるのは、ニュー・オーダーや、フェニックスのバンドTシャツ。撮影中に、好きなバンドのTシャツを着ていると、それが会話のきっかけになったりするの。Tシャツって人と人を繋げてくれる素敵な存在だと思う」

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ソフィアも好きだというバンド、ニュー・オーダーの曲も収録されている映画『マリー・アントワネット』。実は撮影現場で流れていたのかも……? 『マリー・アントワネット』Tシャツ¥1,500/ユニクロ(UT)

「今回のUTも、私の作品を観てくれた人にとって、映画を思い出させるような存在……言うなれば映画の記念品のようになってくれれば」と語ってくれた彼女。実は今回、ソフィアとのコラボレーションを祝して、ユニクロによるソフィア・コッポラ作品の無料上映も実施中! 3月1日(水)〜3月16日(木)の期間中、ユニクロ原宿店地下1階のStyleHintコーナーにて特設ポップアップ「SOFIA COPPOLA UT THEATER」を開催。『ブリングリング』、『マリー・アントワネット』の2作品を無料上映している。また、3月8日(水)〜3月28日(火)の間、全国8カ所の映画館にて、ソフィア・コッポラ作品を上映する「UT THEATER TRAVELING」も実施。今回の「セレブレイティング ソフィア・コッポラ UT」を着用して映画館を訪れた人には、ソフィアによるメッセージ入り記念カードをプレゼントしている。

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Tシャツは、何より心の内を雄弁に語る、いわば自分のステートメント。今回の「セレブレイティング ソフィア・コッポラ UT」を身にまとうのは、ソフィア・コッポラ作品の世界に心から浸れるとともに、彼女が世界に発信するメッセージへの共感を示すことでもある。“女性による、女性のためのカルチャー“、その第一線を駆け抜けてきたソフィア。今年で監督デビューから25周年を迎えた彼女を、今こそこのUTで、心からセレブレイトしたい。

■セレブレイティング ソフィア・コッポラ UT
発売日:2023年3月6日(月) ※原宿店のみ2月28日(火)より選考発売
展開:WOMEN Tシャツ 5柄 ¥1,500、トートバッグ 1柄 ¥1,500
販売店舗:全国のユニクロ店舗およびオンラインストア
スペシャルサイト:https://www.uniqlo.com/jp/ja/spl/ut-graphic-tees/sofia-coppola/women

■SOFIA COPPOLA UT THEATER AT HARAJUKU STORE
開催期間:3月1日(水)〜16日(木)
場所:ユニクロ原宿店 地下1階
住所:東京都渋谷区神宮前1-14-30
上映時間:『ブリングリング』月・水・金曜の19時〜20時半、土日祝の15時〜16時半
『マリー・アントワネット』火・木曜の19時〜21時、土日祝の19時〜21時

■UT THEATER TRAVELING
開催期間:3月8日(水)〜28日(火)
実施映画館:シアターキノ(札幌)、チネ・ラヴィータ(仙台)、新宿武蔵野館(東京)、ホワイトシネクイント(東京)、伏見ミリオン座(名古屋)、シネ・リーブル梅田(大阪)、京都シネマ(京都)、KBCシネマ(福岡)
※映画館により上映日と上映作品は異なる

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エディターMICHISHITA

シンプルだけれど一癖ある服を求めて三千里。日々、モードを追いかけています。淡水パールと洋梨が好き。

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