Part 01 ローカルに愛される、ソウル登山

山に囲まれたソウルでは、登山は身近なアクティビティ。ソウル在住のおしゃれな山ラバーのおすすめコメントとともに、3つのコースをピックアップ。下山後のごはんの提案も楽しい

北漢山(プカンサン)북한산

北漢山(プカンサン)북한산

スタートは「白雲台探訪支援センター」から。特に週末は混み合うため、朝早めのスタートも視野に入れて。最初は心地よい林間のルートが続き、緑に癒やされる

韓国に来たら登っておきたいタフな自然と向き合える名山

ソウルを象徴する山といえば、北部にそびえる標高836mの北漢山。「頂上で向き合う雄大な岩峰のエネルギーが素晴らしいんです。これから北漢山のすべてのコースを登ってみるのが目標」(サラさん)と語るように、多様なルートがあるのも魅力。

初めて登る人におすすめなのは「北漢山国立公園|白雲台(ペグンデ)探訪支援センター」を起点に、北漢山に3つあるピークのうち最高峰の「白雲台」を目指す、およそ片道1時間半〜2時間、1.9kmほどのコース。登りごたえはありながら、林間や渓谷、ダイナミックな花崗岩の足場などバラエティに富んだ景色が。頂上からは、プロのロッククライマーに支持される「仁寿峰(インスボン)」の猛々しさも望める。来たコースを下山した後は、食堂「インスジェ」でのサムギョプサルとマッコリを!

DATA
今回のルートの登山路入り口「北漢山国立公園|白雲台探訪支援センター」 
ソウル特別市江北区三陽路173ギル460 
02-905-8062
牛耳新設線北漢山牛耳駅から2番出口を出て左折し、「白雲台探訪支援センター」まで徒歩約50分、またはタクシーで7分

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登山道では、猫に遭遇することも

寺院「仁寿庵」

道半ばほどで通過する寺院「仁寿庵」。コースの中継地点には休憩所やトイレも整備。山は国立公園内にあるため、案内板や英語・日本語併記も多く心強い

北漢山(プカンサン)북한산

頂上付近には浸食・風化により、ユニークに変形したサモ岩があるのもこの山らしい風景。こちらの「あひる岩」や「うさぎ岩」なども

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足もとはソールにフリクションのある登山靴がベター。また頂上付近はロープを持って登る箇所もあるので、グローブもあるとより安心。最寄りの北漢山牛耳(プカンサンウイ)駅から登山口付近までのエリアは「牛耳洞(ウイドン)登山村」と呼ばれ、アウトドアショップやコンビニエンスストアが。何かあればここで調達し、飲み物も買っておきたい。また近隣の「ソウル都心登山観光センター」には、ギアを有料で貸し出すサービスもあり(要予約)

仁寿峰

岩場から長い階段を行くと「白雲山荘」(元山荘の資料館)、北漢山城の「白雲峰暗門」に。終盤はスリリングな岩場を登っていくといよいよ頂上! 白雲台の山頂付近から眺めるもうひとつのピーク、仁寿峰は迫力満点! 写真スポットは順番待ちの人が多く並ぶ

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下山後、「白雲台探訪支援センター」からタクシーで普光寺(ポグァンサ)の駐車場まで移動。道標に従って15〜20分ほど登ると食堂「インスジェ」が! 卓ごとの網で香ばしく焼く「トンカルメギサル」(1人前150g・₩13,000)を堪能。毎朝作る豆腐やトトリムク(どんぐり寒天)も。いつも待機列ができる人気店。

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ソウル特別市江北区4.19路12ギル60-93
営業時間:11時〜17時(火〜金)、7時〜18時30分(土・日、冬季は〜17時)
定休日:月曜

 

キム・サラさん「Monday Edition」ヘッドディレクター

Recommended by キム・サラさん「Monday Edition」ヘッドディレクター

漢南洞に店舗を構えるジュエリーブランドのディレクションのほか、アパレルブランドQDUROY、カフェのmanjoなども手がける。

Instagram:@kimsara_me

photography: Kyutai Shim 〈STUDIO HARU〉 coordination: Hyojeong Choi 〈TANO International〉

冠岳山(クァナクサン)관악산

冠岳山(クァナクサン)관악산

韓国百名山に名を連ねる、標高632mの冠岳山。主峰の断崖絶壁に見事に建つ赤い建物が、恋主台。高麗時代の忠臣の哀歓が込められているといわれる

四季折々の表情を堪能したい、文化遺跡が佇む山

ソウルと京畿道にまたがってそびえ立つ冠岳山。春には桜やツツジ、夏には深い緑、秋には紅葉、冬には雪景色を楽しめる。ミさんのお気に入りは、舎堂駅からスタートし山頂を経由、果川駅方面に下りるコース。平坦な道からロッククライミングのような急勾配までさまざまな道程を含む、登りに3〜4時間かかる中級者向けだ。

「下山ルートの終盤にある果川郷橋付近の渓谷で、ぜひ水遊びをしてみて。足を浸して座っているだけでも気持ちいいですよ」(ミさん)。腹ごしらえは、冠岳山の登山口からすぐの場所にある屋台スタイルの食堂「クァナクサンジキミ」で。海鮮チヂミや山菜のビビンパなどの定番料理を楽しめる。「このコースが好きな理由は、冠岳山の素晴らしい風景を見られるうえに、下山後の楽しみが多いから。体力に余裕があれば、国立現代美術館 果川を訪れることをおすすめします!」

DATA
ソウル特別市冠岳区新林洞203
舎堂駅4番出口を出て100mほど直進。「ロデオキムパプ」の店舗を右折し、住宅街を10分くらい上がっていくと登山道の入り口に

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山頂に到着したら、ぜひ石碑の前で記念撮影を。アイスクリームとドリンクの販売も行われており、長い道のりを歩いた後に味わうと格別だ

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登山開始約30分で、早くもソウルらしい高層マンション群を見渡せる。途中にある冠岳山公園内の展望台では、ソウルタワーや漢江を望むことが可能。休憩所もあるので、ここで英気を養って

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石や木、鉄の階段などで整備された登山道を登る。豊かな植物や奇岩怪石を眺めつつアップダウンをこなすと、退屈しない

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下山後は「クァナクサンジキミ」でローカル料理に舌鼓を。メインの料理を1皿頼むと、7種類のおかずがついてくる。海鮮チヂミ₩15,000、チピョン生米マッコリ₩5,000

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天気がいい日は開放感たっぷりのテラス席で食べるのも。

京畿道果川市チャハドンギル18
02-504-1076
営業時間:8時〜17時(LO16時)
定休日:第1・3月曜

photography: Hayoung Kim coordination: Hyojeong Choi 〈TANO International〉 text: Mai Ueno

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Recommended by チャン・ミさん(グラフィックデザイナー)

ファッションデザイナーからフリーランスのグラフィックデザイナーに転身。現在はトロント在住。気ままに旅行やアウトドアを楽しむ。
Instagram:@zanmango

仁王山(イナンスン)인왕산

仁王山(イナンスン)인왕산

ソウルの鐘路区、西大門区弘済洞にまたがる、花崗岩や奇岩怪石が多い岩山。頂上付近にある大きな虎岩からもソウル市内のパノラマが見られる。登って記念撮影してみて

都市部からのアクセスが抜群!のんびりとハイクしたい低山

景福宮の近くにある、標高338.2mの山。「それほど高くなく、初心者でも登りやすいのが魅力。近隣エリアの西村、光化門もまとめて観光でき、落ち着いた雰囲気のソウルを楽しめます」(ジュンヒョクさん)。

頂上までのルートはいくつかあるが、「鐘路(チョンノ)文化体育センター」近くに登山口がある「仁王山登山路」がおすすめ。漢陽都城道に沿って歩くルートで、左手には歴史的な城郭、右手には現代の街並みを望むことができる。途中には、展望台や大きな虎岩などの見どころも。片道約1時間強でたどり着ける頂上からはソウルを一望でき、天気がよければ眼下には景福宮、南山、ソウルタワーといった名所の数々が。気軽にアクセスできて観光・絶景が楽しめるスポットだ。「街中では見られない美しい景色を見ていると、ストレス解消に。心身ともに健やかになれるので、ぜひ登ってみてください!」

 

DATA
ソウル特別市鍾路区毋岳洞 山2-1
地下鉄3号線景福宮駅の1番出口から社稷トンネル方面へ約10分歩くと、仁王山登山路入り口に到着する。「鐘路文化体育センター」が目印

仁王山(イナンスン)인왕산

至るところに英語も併記された標識があり、頼もしい

仁王山(イナンスン)인왕산

城郭沿いの開けた道。日陰があまりないため帽子はぜひ持参して。ある程度登ったところで振り返ると、ソウルの高層ビル群が並ぶ圧巻の景色が! 美しい夜景を見られることでも有名で、あえて夜に訪れる人も

仁王山(イナンスン)인왕산

たまに急勾配の階段があるものの、全体的に道がなだらかで歩きやすい。舗装もされているのが、ソウル屈指の登りやすさを誇るゆえんだ。道の途中には美しい花も咲く

アンジュマウル

下山したら近くの西村エリアにある食堂「アンジュマウル」へ。韓国各地から直送される新鮮な海産物を楽しめる。南海 ヤリイカ刺し身₩27,000、とびっこビビンパ₩10,000、光化門マッコリ₩5,000

アンジュマウル

13時にオープンするとすぐ満席になる人気ぶり。「どの料理もお酒が進みますが、特にお刺し身がおすすめ!」
ソウル特別市鍾路区紫霞門路1ギル3
02-723-3529
営業時間:13時〜22時
定休日:日曜

クォン・ジュンヒョクさん kolon FnCブランドマーケター

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韓国のアパレル企業でマーケティングを担当。モデルとしても活動中。趣味はランニングと登山で、ハイキングコミュニティも運営。
Instagram:@bestjunhyeok

photography: Youngwoong Yim coordination: Hyojeong Choi 〈TANO International〉 text: Mai Ueno