モダン&ディープな京都ステイ体験! 推したい町家リノベ系宿『Maana Kiyomizu(マーナ清水)』

ここ2年ほど、毎月のように京都へ出掛けています。もはや「月刊京都パトロール」状態。
 
毎回いろいろな宿に泊まっているんですが、先日(といっても昨年秋なんですが)、個性的で面白くて素敵な宿にステイしたので、ご紹介させていただきます!
  

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その宿『Maana Kiyomizu』は、名前のとおり、清水エリア=京都国立博物館からすぐの住宅街にあります。築100年以上の町家長屋の一部をまるっと全面リノベーションして、2022年11月にオープンしました(併設のカフェレストランは9月オープン)。
 
パンデミック以前を含むここ数年間でかなり増えた感のある町家リノベ系の宿ですが、「そりゃ京町家はスペシャルな日本家屋だけど、わざわざジャパーンな部屋に泊まりたいとは思わないなー」と、ひとりっPはあんまり興味がなく。
 
なのですが、京都に詳しい友人から、「いや、あそこはきっと好きだと思う!」と、このMaana Kiyomizuを強力リコメンドされたんですよ。彼女がそんなに推すなら、と、“月刊京都パトロール” の際に泊まってみることにしました(ひとりっPは、知っている人からのクチコミは、めっちゃ信用します)。
 
繁華街・四条烏丸からバスに乗って清水寺方面へ約15分。バス停「馬町」で市営バスを降り、向かい側の路地を入ります。細〜〜い路地沿いには京都トラディショナルな長屋家屋が連なっていて、「へええ〜〜〜」と、ついついキョロキョロ。“京博”がすぐ近くですが、ツーリスト感はゼロ! 周辺は昔ながらの京都の住宅街で、たま〜〜に付近の住民らしき人とすれ違うくらい。「なんだかこの町の住人のような気分になってきちゃったよ」と、影響を受けやすいひとりっP、すっかりなりきり京都在住者!←ばか? 路地を歩くこと2分ほどで、Maana Kiyomizuに到着です。
(※京都駅からなら、タクシーでも市バスでも約10分です)

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もとはふしみ人形職人さんが作業場兼住宅にしていた町家長屋3軒分をフルリノベーションしたそうで、客室は全部で3ルーム。それぞれで内装も造りも異なっています。
 
ひとりっPが滞在したのは、1階&2階のあるSUITE 02。厳密にいうといわゆる1棟まるごと部屋なんだと思いますが、もともとが長屋だったので、独立した一戸建てというよりも「2階のある客室」風です。でも、部屋の入り口ドアは外に面していて、コーポラティブハウス的な感じですね。

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部屋のドアを開けてびっくり!
 
「えええーーーーーっ!!」
 
町家リノベ宿によくある、“きれいに改装されたザ・トラディショナル日本家屋” 感はまったくナシ!!
 
ご覧のように、たしかに町家ニュアンスはあるのですが、メインのテイストはめちゃくちゃモダン&ほどよくナチュラル! 外観からは想像がつかない、ドアの中はまったく別世界でした!
 
「そうきたかーーー!!」と、もう部屋に一歩入った途端、きゃっほーーー!状態ですよ。素敵すぎるーー! おしゃれすぎるーー! 気分アゲーー!!
 
町家長屋なので、奥に長い造り。手前にミニキッチン、ミッドエリアにダイニング&リビング、いちばん奥がバスルームになっています。
 
あ。ちなみに、靴は脱いで入ります。

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ダイニングテーブルは、PC作業にもぴったり。小さな庭に面したガラス張りの壁から外光が入るのもナイス! この庭も、ザ・日本庭園ではないんですよ(→のちほどご紹介)。ってのも、たいへんよいわ〜〜!と感心!
  
ちらっと左奥に見えているのは、おこもりリビングルーム(命名 by ひとりっP)です。

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おこもりリビング内はこちら。窓はなくて、まさにこもる感じですね。シートでごろごろするもヨシ、ひたすら読書に没頭or音楽を聴いてリラックスしたりするもヨシ。この部屋はどことなーくモロッコテイストだなあと思ったんですが、そういえば、この宿自体がなんとなくモロッコのリヤドっぽいと気づきました。テイストではなくて、全体のたたずまいが。
 
(※リヤドは元邸宅を改装した宿で、宿ごとにそれぞれまったく違う個性があります。さらに、同じリヤド内でも部屋ごとに造りが違っていて、めくるめくモロッコステイが楽しめるんですよ〜〜)

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奥のダイニングテーブル側から見た玄関&キッチンエリアです。ミニマル&モダンテイストなのがよくおわかりいただけるかと。キッチン設備としては、冷蔵庫、電気ケトル、食器類があります。調理用器具はありませんが、テイクアウトやデリバリーを部屋で楽しむには十分、というか、デリバリーをオーダーしたくなりますね。
 
玄関脇には、これまたモダンな和室があります。
 

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こちらがモダン和室。壁は和紙職人ハタノワタルさんによる和紙を使用しているそう。明かり取り兼床の間的なアレンジもユニーク!「へええーー! 和室ってこういうふうに作れるのかー! 面白いーー! ミニマル! まさにZen部屋!」と感動&感心です。

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そして、なんと言ってもこの部屋のひとりっP的イチオシスペースが、バスルーム! バスタブはモダンなブラックカラーですが、陶器製なので温もり感あり。独立したシャワールームがすぐ脇にあります。ご覧のように、部屋に付属している小さな庭(決して日本庭園ではない)に面して全面ガラス張り! ちなみにブラインドもついていて、部屋の構造上、ほんの少し下げるだけで外部からの視線は遮れるので、入浴しながら庭のグリーンを楽しめます!
  
もちろん夜にも入浴したのですが、朝起きてみたら、自然光たっぷり!! 方角の関係で、午前中に光が入るんですね。 あまりにキモチのよい光だったので、ソッコーお湯張りスタート! 朝風呂&読書をえんえんエンジョイしてしまいました。
 
というわけで、こちらのお部屋では、ぜひとも! 朝風呂をおすすめします! 


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ベッドルームは2階に。トイレ&洗面コーナーも奥にあります。左右の竹小舞(竹組み)の壁は、もともとは土壁の中に使われているものだそう(←全然知りませんでした!)。きれいなので、わざとそのまま壁にしたそうです。竹の新しいアレンジアイデアかと思ったんですが、技法自体はトラディショナルなものなんですね。勉強になります。

ちなみに、天井は、オリジナルの100年以上前のものだそう。
 

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バスルームのランプもオリジナルデザイン。
 
部屋で使われている照明のテクニックもいちいち参考になります。

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エアコンのリモコン入れは、アンティークの和道具。モダンな部屋に合わせると、いいアクセントになって、すごくマッチするんだなあと、またここでも感心。

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併設のライフスタイルショップ『POJ Studio』と共同制作したオリジナルアメニティボックス。桐製で軽い!  

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部屋に置かれている茶器セット。オリジナルではないそうですが、マイ好みのデザイン! お茶を淹れたくなる! しかも使いやすい! というわけで、ひたすらお茶を飲み続けてしまいました。

キッチンのお皿、照明、アメニティボックス、タオルはオリジナル。ほか、コップ、オブジェ、茶器、クッションカバーはセレクトアイテムだそうですが、すべて併設の『POJ Studio』で販売されているのもこちらの宿の特徴です。まるごとライフスタイルショップなホテルってことですね。

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そして、このキッチンの棚を見て、メラメラと「な、なにか料理を作って、このお皿で食べたいゾ〜〜!!!」という野望が燃え上がってしまったひとりっP。

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Googleマップで検索したら、バスで2駅行けばスーパーマーケットがあるとわかり、急いでGO!
 
ギリギリでまだ桃が売られていたので、「桃とモツァレラのサラダ」を作ってみました〜〜〜! もちろん美味〜〜〜! 自分、天才か!と自画自賛〜〜!

 
このときスーパーで買い出してきたのは、桃、オリーブオイル、塩、粗挽き黒胡椒。ちなみに、ひとりっPは、国内外問わず、旅には常にナイフとミニまな板を持参しています。旅先で特産のフルーツを買って食べるとき用なんですが(ひとりっPはフルーツ好き)、なので、火を使わない調理なら問題なくできちゃうんですよ〜〜。
 

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そして、Maana Kiyomizuの見逃せないポイントが、こちら。
 
施設内に併設のカフェレストランが、朝食で大人気の『喫茶喜心 kyoto』なんです(写真の2階はMaana Kiyomizuの客室です)。もちろん、パブリックにオープンしているお店なので、このお店を目指してやってくるお客も多数なんですが、なんといっても併設! 宿泊客ならではの、朝起きてすぐにこちらで素敵な朝食をいただいたり、部屋で日がな一日のんびりしつつ、「ちょっとお茶しにいこう」とふらっとコーヒーブレイクしに行ってみたり。お店のかたも、こちらが宿泊客だと把握して対応してくださるので、まるでご近所のいきつけ店のようなアットホーム感で利用できる素晴らしさよ〜〜!! と、チェックイン〜チェックアウトまでは、部屋にいるか、こちらの『喫茶喜心 kyoto』にいるかしていたひとりっPです(外出は、スーパーマーケットに買い物に行ったときのみ)。宿付近の散策パトロールには、チェックアウト後に出かけました。
 
(※こちらのお店はディナー営業はしていません)

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朝食は、『喜心の洋朝食』とコーヒーをオーダー。
 
さすが、一品一品がすべて、まさに「こころ尽くし」でした! 
 
パンは、ひとくち食べて「おいしい!!」と思ったら、なあんと糀パン! 甘酒と糀を使用しているそう。サクッとしているけれど、ベースはしっとりしっかりした食感。うっすら優しい甘味があります。まるごと1本ください!と言いたかったくらい。
 
コーンスープがこれまためちゃくちゃおいしくって、「入っているベーコン?がなんだかスペシャルにうんま〜〜いんだけど、これ、ベーコンなのかな!??」と思って聞いてみたら、なあんと生ハムをローストしたものでした! やっぱ神は細部に宿る!!

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朝食セットのメインのオムレツプレートです。九条ねぎ、きのこ、チーズ入り。添えられた地野菜のロースト、みょうがのピクルスも濃厚フレッシュで美味〜〜!

そして使われているお皿は、部屋に置かれているものと同じ! 昨夜、ひとりっPが桃モツァレラを作ってのせたお皿と同じシリーズで、併設のショップ『POJ Studio』のオリジナルです。

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チェックイン後にお茶をしに行ったときのオーダーはこちら。
 
オートミルク抹茶ラテとバスクチーズケーキです。

抹茶はしっかり濃いめで、バスチーもしつこくならずに最後まで食べられるバランスよい濃厚さ! と思って聞いてみたら、米粉使用とのこと。どうりで!
 
読書しながらのんびりティータイムを過ごせました。
 

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内装は自然光たっぷりで北欧ナチュラルテイスト。くつろげすぎる居心地のよさ! フードもドリンクも、おいしいだけじゃなくヘルシー! ひとりっPの京都カフェアドレスTOP5にランクインですよ〜〜!(カフェの街・京都とはいえ、ここまでバランスのよいカフェはなかなかないんですよね、、、)

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併設されている、というか、Maana kiyomizuの部屋の並びにあるライフスタイルショップ『POJ Studio』では、宿で使われている小物、家具含む、オリジナル商品が販売されています。
 
じつはこちらの2階は、金継ぎ教室になっているそう。というのも、面白い!
  

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1泊2日の滞在でしたが、あまりに感動しっぱなしだったひとりっP。
 
ちょうど『POJ Studio』に宿のオーナーである塚本はなさんがいらしたので、いろいろお話を伺ったのですが、中でも印象に残ったのが、「滞在することで、お客さまがなにかをインスパイアされるような宿にしたい」というコメント。

いや、まさに! ひとりっP、インスパイアされまくりましたよー! 突発的に桃モツァレラまで作っちゃったし! ナットクしかありません!
 
世界あちこち、400回を超える旅をしてきましたが、そんなひとりっPが最近思うのは。
 
「また泊まりにきたいって思える宿って、 オーナーの顔が見えるというか、“思い” が感じられる宿” だなあ」ということ。なので、塚本さんのこのコメントに、「だから、このMaana Kiyomizuには感動があるし、素敵なのかー!」とイッキに合点がいきました。
 
そして、よくよく聞いたら、塚本さんは、オーナーというか、町家リノベ宿『Maana』(じつは京都内に3軒あるそう!)代表取締役、兼、ライフスタイルブランド『POJ』取締役で、両方とものクリエイティブディレクションをされているそう。それで、Maana Kiyomizuにはブレがなくって、すべてに統一感があるんですね!とますます納得!



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最初にも書きましたが、Maana Kiyomizuの周囲は観光エリアではなく、古くからあるローカルな住宅街。並びの長屋はいまでも普通に住宅として使われています。めちゃくちゃディープ京都! 滞在しながら、そんな路地の深夜や早朝の気配を感じられるのが、ほんと新鮮!
 
しかも、街外れだったり、うら寂しい雰囲気だったりとかはなく、前述したように京都国立博物館はすぐ近くだし、徒歩2分のバス通りには頻繁に市バスが来て、祇園までなら5〜10分、四条烏丸までは15〜20分。ほどよい落ち着き感がいいなーと。
  

こちらに滞在していて、以前、ベトナム・ホイアンの旧市街で築200年以上のお屋敷をリノベーションした宿に泊まった夜を思い出しました。ディープでトラディショナルなローカル真っ只中にステイするのって、独特の楽しさがありますね。

そう。ひとりっPの旅のモットーは、「旅に住む」。
 
Maana Kiyomizuに泊まることで、観光体験だけじゃない、貴重でリアルな京都体験ができました。「京町家長屋をモダンに改装すると、こういうふうに仕上がるのかー! いや〜〜、目からウロコ! 京都でこんな家に住んでみたいなあ〜〜!」と妄想もひとしきり。
 

「旅は発見」by ひとりっP旅の格言より。

 
ほんっと、だから旅って面白いんですよね!!!
 
みなさまも、ぜひぜひ、Have a nice stay & ひとりっぷ〜〜〜!!!
 

 
■Maana KiyomizuのGoogleマップはコチラ

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