[Vol.82]この夏、『ロケットマン』のエルトン・ジョンの派手メガネにするか、エド・シーランの地味メガネにするかが問題だ。

エルトン・ジョンの苦難と成功の道のりを描いたミュージカル映画『ロケットマン』(8月23日公開)を観て思ったのだが、彼の見た目を象徴するのは、ずばりメガネですね。イギリスの郊外に育ったジミ〜なメガネ少年が、脚光を浴びる度に、そのメガネがどんどんハデになる。ハート型、星型、キラキラのラメやラインストーンで光り輝くメガネの数々。コスチュームがハデになれば、顔だってそれくらいの装飾がないと釣り合わない。そう、エルトンには、フレディ・マーキュリーほどのクドさも盛り上がった歯もないから、メガネをハデにするしかないのだ。

エルトン・ジョンはスターになるにつれて、ジミなメガネ顔をハデに演出していったが、普段のメガネ顔をそのまま定着させて、メガネがトレードマークのようになったミュージシャンは昔からいる。すぐに思い浮かぶのは、ジョン・レノンやエルビス・コステロ。今でいうとエド・シーラン。赤毛とメガネが特徴的だ。映画監督のウディ・アレンも昔からメガネ顔。彼らは特別にいわゆるハンサムではないけれど、メガネが個性となって唯一無二な存在感を出している。エルトン・ジョンのように、メガネをファッションアイテムとしてハデ使いにする人と、視力補強のためのメガネが個性になってしまう人。おもしろいものだと思う。

 

最近、ファッションで白いフレームのサングラスをちらほら見かけるが、あれがモードになる人とマンガになる人の違いもおもしろい。これからサングラスをする機会も多い季節柄、「メガネは顔の一部です」といえるくらいに顔に馴染ませてグラサンライフを楽しみたいものです。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

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