『梨泰院クラス』でお馴染みのパク・ソジュンや、BTS V、『パラサイト 半地下の家族』のチェ・ウシクといった“リアルフレンド”５人の日常を映した特別バラエティ番組『IN THE SOOP フレンドケーション』をはじめ、酒飲みな女３人が繰り広げる現代社会をユーモアたっぷりに描いた『酒飲みな都会の女たち』など、チェックすべき新作が続々登場。そこで今回は、寝る間も惜しんで観たい良作をピックアップ！
【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班／エディターK
母の影響により、第１次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約19年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手俳優の発掘が趣味の領域に。
LINK：ふたりのシンパシー／ロマンス、サスペンス、スリラー!? 謎解き気分で鑑賞できる！
“ウ・ヨンウ”で大ブレイク中のパク・ウンビンをはじめ、韓国には子役出身の実力派がザックザクです。で、この主演のヨ・ジングとムン・ガヨンも言わずと知れた子役出身。しかも、その子役時代にすでに共演経験ありでして（2010年『名家』他）、本作がなんと12年ぶりの共演作。というわけで興味津々見始めたわけですが、これがなあんか変。「あれ、ボタン一個掛け違えてる？」みたいな、もしくは「間違い探しの最後の一個が見つからない」みたいな、妙な違和感がドラマ中盤過ぎまで付きまとうというか。というのも、ヨ・ジング演じる人気シェフ、ゲフンが18年ぶりに人の感情を共有（リンク）するところから物語が始まるのですが、もちろんそのリンクする相手はムン・ガヨン（役名はダヒョン）。とくれば、当然ラブ物語始まる？と私なんぞは思っちゃうわけでして。しかも、タッチはちょっぴりコミカル、ふむふむサイコキネシスな胸きゅんロマンス間違いなし！なんてね。ところがです。なんか、おかしい、なんか変……。
実はゲフンには、双子の妹がいて、この妹との間でそもそもリンク現象が起こっていたのですが、その妹は10歳の時に失踪したままリンクも途絶え18年経った今も消息不明。で、久しぶりにリンクを感じたゲフンは、妹が行方不明になるまで住んでいた街、チファ洞に戻ってくるのですが、そこで、なんとダヒョンと再会。あれ？やっぱりロマンス展開じゃない、この流れ。なのに、やっぱりおかしい、やっぱり変。そうこうしているうちに、ダヒョンがストーカーに遭い、なんと揉み合ううちに殺害、隠したはずの遺体は忽然と消え……。え、え、え〜ひょっとしてスリラーなの？ いえいえ、未解決事件を追うミステリーか？ と、迷走必至なのでありますが、そんな中でもとにかく一番“変”なのは、チファ洞の住人たち。
おしゃべり好きなおばちゃん連中も、街を守る警察官とその仲間も、ダヒョンのオンマ＆ハルモニも、普通なのに、なあんか、みんなどこか変。でも、何が？ それが少しずつ解き明かされていく後半はノンストップで惹きつけられる面白さ。涙ボロボロのジングとガヨンの破格の演技力は言うまでもなく、12年ぶり共演のケミにも魅せられること必至。妹の失踪以来、幸せになることを拒否し続けてきたジング演じるゲフンと妹の絆にもじ〜ん。（さすらいのライター山崎）
IN THE SOOP フレンドケーション／リアルな姿に、泣いて笑ってときめける！
ドラマではないものの、全４話の最終回が今週放送のホットな作品なので激推しさせてください。全アーミー&カラットが熱狂した『IN THE SOOP』。BTS ver.で２回、SEVENTEEN ver.で１回と、我々を常に翻弄し歓喜させてきたバラエティ番組ですね。で、またしても。今度は通称ウガウガ会「우리 가족（私たち、家族）」メンバーで繰り広げられるフレンドケーションver.ですって……？ ちょ、これ観ない選択肢あるのですかい？ ウガウガ愛好会の皆さんも、そうでない皆さんも、観ればあっという間にコロッと全員を好きになること間違いなしの今世紀最大のスペシャル番組をどうか、どうか、見逃さないでほしい！！
ウガウガ会のメンバーは、料理上手な頼れるアッパ（父）パク・ソジュン、キュートでビッグな末娘Peakboy、おちゃらけてるけど面倒見のいい兄チェ・ウシク、優しすぎるオンマ（母）パク・ヒョンシク、聞き分けのないマンネ（末っ子）BTS Vことテテの５人構成。私生活で「リアル仲良し」な大スター５人の日常を見せてもらうなどこちらとしてはご褒美すぎて動悸はとまりませんが、あくまでも私たちの知る“スター”としてではく、同じ世界を生きる“個”として映し出されています。バラエティ番組のニクいところですが、これを観て好きにならないはずがないのですよ……。ソジュンアッパの手料理を堪能（画面上）したり、あんまんを分け合って食べる姿に悶絶したり、釣りではしゃぐ姿に胸キュンしたり、真面目な話をしている姿に心を震わさせられたり、時間を忘れてのめり込む要素がこれでもかと詰まっている。
５人が仲良くなった経緯もぜひ番組で知っていただけたらと思いますが、圧倒的なスターとして生きる彼らの重圧や苦悩も透けて見えるがゆえに、（私個人の勝手な意見としては）彼らだけの空間を守りたい気持ちが生まれてしまい、この番組は今回限りの超貴重映像となったらいいな……などとふと思ってしまう。Peakboyを「ピンクボーイ」と呼ぶ可愛いやりとりや、ウシク主演ドラマ『その年〜』を観て感想を言い合う姿、何よりお互いを信頼し合い、決して仮面を被らず、「ここにいる間はただのテヒョン（テテの名前）」と、全員が自然体でいられる居場所であるという事実。それが視聴者サイドにもしっかり伝わってきて心がじわ〜っと温かくなり、気付けば大粒の涙が。これからもずっとずっと変わらない絆で結ばれていてほしいと願ってしまうお節介Kでした。（エディターK）
酒飲みな都会の女たち／共感ポイント目白押しのコメディ×ヒューマン
体質的にお酒が飲めない自分をここまで「う、恨めしい！！！」と思ったことはありません。お察しの通り、本作はとにかくヒロインたちが、飲んで、飲んで、飲んで、果てしなく飲みまくる物語。最新作『ウ・ヨンウ〜』のキンパのように、韓国ドラマは昔っから「いますぐ食べたい！」と思わせる食事の演出がとにかく多く、とても秀逸な見せ方なため、切っても切り離せない関係。本作でもチキンとメクチュ（ビール）、カンジャンセウとソジュ（焼酎）などさまざまな料理が登場するのですが、正直料理が霞むくらいに「お酒が飲みたい衝動」に駆られます。ただしお酒に絡めつつも日常の共感ポイントを随所に取り入れた超リアリティドラマでして、観ていて「わかるわあ〜」と頷きながら片手にはメクチュ（妄想）。１話30分とかなりコンパクトでリズムがめちゃくちゃいいので、一気に沼落ちする危険性大です。本作で登場するのはただの飲兵衛ではない、いわゆる“미친（ミッチン）”女たち。
私的韓ドラベスト10に入る『メロが体質（原題）』や、『検索ワードを入力してくださいWWW（原題）』もそうなのですが、女３人物語にハズレなし！（一部例外を除く）と思っている次第です。大学時代にお酒で繋がって以来10年間をともに過ごしている三者三様のキャラクター設定がまずもって最高。３人の均衡を保っているおてんばバラエティ作家のソヒ（イ・ソンビン）、空気を読まないウルトラポジティブなヨガインストラクターのジヨン（ハン・ソナ）、男気溢れる性格であらゆる女性たちを魅了する折り紙YouTuberのジグ（チョン・ウンジ）。相手の哀れな姿に恋愛スイッチが入ってしまうソヒや、あらゆるアジュンマも勝てないほどハイテンションで口が立つジヨン、酔っ払うと犬小屋で寝る習性を持つジグなど、個性が強すぎてとにかく終始３人に笑わせられている（ソヒの元彼登場シーンには思わず吹き出した）。ここに恋愛や仕事はもちろん、現代女性が抱える問題を映し出しているのがミソ！
さらにソヒと同じ職場の番組プロデューサーのブックを演じるのがシウォンて、これまたギャグ路線強めと思わざるを得ない配役！ 個性と個性が共鳴し合って、思わず「ブハッ」と笑えるとんでもない人間模様が完成しているんです。韓国で超話題となったのも頷ける。しかも今年の下半期にはシーズン２放送が決定。ああ〜早く続きが観たい！！（エディターK）
ジンクスの恋人／大人が沼落ちするファンタジーロマンス
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「韓ドラは何から観れば？」とよく聞かれます。ロマンス好きなら推しは『青い海の伝説』か『星から来たあなた』なのですが、「ヒロインが人魚で……主人公が宇宙人で……」と話すと、その時点で引かれることも多々ですが、いやいや、人間でないからこその切なさは、そこらのラブとは比べ物にならないゾ！というわけで、ここからズブズブ沼突入という人も少なくなく。で、本作です。
ヒロインは「女神」。手に触れた人の未来が見えるスルビ（ソヒョン）という女子です。「なんだ超能力」と思ったあなた、そりゃあそうなんですが、その人生がかなり数奇。実はこの能力、降りかかる不幸を幸運に変えることができるもので、母から娘へ、娘からそのまた娘へと引き継がれ、彼女たちは朝鮮時代から「不幸を防ぐ巫女」として生きているわけですね、代々。しかもその力を独占したい、時の権力者は、その存在をひた隠しにするわけです。誰も知らない秘密部屋に一生閉じ込めたまま。今だったら、王様は間違いなく牢屋行きです。なのに、引き継がれていたのですよ、現在も。“女神”によって巨万の富を築いたクムファ財閥会長によって。で、スルビは母とともに幽閉状態なのですが、ある日、隠し部屋から抜け出しクムファに就職が決まっていたスグァン（ナ・イヌ）と遭遇、彼とともに生まれて初めて外の世界で過ごします。もちろん、すぐ連れ戻されるのですが、そのせいでスグァンに数々の不幸が。その２年後、すっかり不運の男となったスグァンの元に再びスルビが会いにいき数奇なロマンスが動き出すという。で、このスルビ役のソヒョンです。
この手のドラマってヒロインの魅力にかかっていたりするわけで、好奇心満々で頬を上気させちゃう姿とか、手放しでスグァンに恋するところとか、とにかく健気でピュアで真っ直ぐで、前半は、そんな魅力満々のソヒョン女神に振り回されるスグァンとのラブリーなときめきが満載。でも、後半は一転。権力争い、三角関係、会長とスルビ母の因縁などなど入り組んで、離れ離れにならざるを得ない二人。一気に大人びちゃうスルビに早くあの天真爛漫な笑顔が戻ってほしいと願わずにはいられません。ちなみに身長170cmのソヒョン着こなす数々のファッションは、暗い展開にポッと咲いた花のようにめちゃキュート。そちらもお見逃しなく。（さすらいのライター山崎）
