【最新韓国ドラマ】『愛だと言って』の“許されない愛”の震える切なさ。イ・ソンギョン×キム・ヨングァンのロマンスが配信開始！

【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容と韓流の二刀流ライターに。寝食忘れて韓流ドラマ三昧を続けて視聴した作品は数知れず。今回ヒロイン役のイ・ソンギョンは『大丈夫、愛だ』『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』でのちょっと危ないキャラに魅せられて以来、出演作は必ずチェック。お相手となるキム・ヨングァンは『サムバディ』の繊細かつ大胆な演技っぷりで一気にファンに。今、最も気になる俳優のひとり。共にモデル出身のふたりのケミストリーに期待大。

韓ドラ追っかけ班／エディターK
母の影響により幼少期からどっぷり韓ドラ沼に浸かる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約20年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを視聴中。イ・ソンギョン推しゆえに、彼女の作品は何周も鑑賞済み。なんと言っても『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』でのサイコパス的な姿と、『恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ〜』での恋するスポーツ選手の姿を観て只者ではないと痛感。キム・ヨングァンとの“切ないロマンス”は韓ドラファン得でしかない作品！！

“復讐”から始まる孤独なふたりの物語／さすらいのライター山崎

久しぶりのド直球のラブロマンスの予感。とはいえ、始まりは少々重ためです。なぜなら、そのきっかけになるのが“復讐”だから。姉と弟に挟まれたシム３兄弟の次女ウジュ（イ・ソンギョン）がロマンスのヒロインです。17歳だった13年前、父が家族を捨てて愛人と家を出て以来、不運続きの生活を続けているウジュ。そんな彼女のもとに届いたのは父死亡の知らせ。今も暮らす家は父名義だったが故に妻であった愛人に奪われてしまい、姉弟に唯一残された家までも追い出される羽目に。その愛人が自分の息子の会社に投資したことを知ったウジュは、アルバイトとして息子の会社に入り込むのですが……。

有名大出身で、自ら展示会社を経営する息子ドンジン（キム・ヨングァン）。彼がこのロマンスのもうひとりの主人公となるわけですが、復讐のため彼を探ろうと密かに尾行するウジュが彼の後ろ姿に見つけたのは、その華麗なプロフィールとは裏腹な“孤独”……。そうして、ふたりの愛の物語が動き出す、というわけですが、後ろ姿にその人の寂しさと愛が表れるなんて、ミア・ファロー主演の幻の名作『フォロー・ミー』（1972年作品。古すぎてすみませんが、めちゃ可愛い愛のお話）を思い出してしまいますが、それぞれに深い傷を抱えるふたりが、これからどんな愛を紡いでいくか、切なくもハートウォーミングな展開が予想されて、期待は膨らむばかりです。華やかオーラを封印し、地味で素朴な見た目に複雑な心情を抱えるウジュを演じるソンギョンと、『サムバディ』の体をはった演技で今や時の人ともなったヨングァンの組み合わせも新鮮。

行き止まり地獄のロマンスに見いだす希望／エディターK

実はシンガポールのマリーナベイ・サンズにて開催されたディズニー・コンテンツ・ショーケース2022に出席して以来、個人的にいちばん配信を楽しみにしていた作品がありまして。それが本作、ソンギョン×ヨングァンの高身長カップルで織りなすロマンス。しかも、行き止まり地獄の切なさ満点とあれば、韓ドラフリーク大好物のジャンルなのではないでしょうか!? ２話視聴時点ですでに「希望はあるのか」と思うくらい悲しく、切なく、ウジュ（ソンギョン）に心打たれて仕方ない。一方ドンジン（ヨングァン）もある種の被害者であり、ふたりはなにも悪くない……だからこそ切なさと怒りが加速して、兎にも角にももどかしい。今後どのように惹かれあっていくのか、どんな姿が描かれていくのか、ロマンスの終着点にはなにが待っているのか。出演者の演技力は言わずもがなではありますが、声を大にして言いたい。役者がよすぎて感情移入が止まりません！！

そして本作は緻密な演出が最高で、まずイントロからすごくいいんですよ。ウジュのこれまでの色鮮やかな世界が表現されていたスケッチブックが真っ黒に塗り潰され、そこにタイトルが映し出されていく。一見ただの暗闇のように見えて、ウジュ（韓国語で宇宙の意味）が広がっているんですね。闇を進んだ先に待つ一種の光のようで、絶望だけでは終わらない、その先に待つ真理みたいなものを求めてしまう。演出の意図かは分かりかねますが、物語が全体的にセピア色の世界で表現されており、なにかが色褪せてしまっている雰囲気。本作の旨みがギュッと溢れ出し、いい塩梅に仕上がっています。まだ物語序盤なので終盤にはどう移り変わっていくのか？ その辺りも楽しみに、１話１話を噛み締めて観たい。そんな作品です。