No.17 Naomi Shimizu

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『ロスト・イン・トランスレーション』(’03)を観直し、「今とリンクする状況が胸に響いた」という清水さんの近影

Naomi Shimizu(清水奈緒美)/スタイリスト
東京都生まれ。SPURをはじめモード誌を中心に広告、アーティストのスタイリングなどを手がける。スポーティなムードと情緒を巧みにミックスする独自の世界観に定評がある。国文学を学び、速読が得意という読書家の一面も。

研ぎ澄まされた審美眼で選び抜いた、静謐な空間

テーブルはアルネ・ヤコブセン。椅子はシャルロット・ペリアン作

Q 自分らしい、インテリアのこだわりは?

「妥協をしないこと。プライベートな空間なので、目に入るものは、すべて気に入っているものしか置いていません。賃貸なので壁や床は替えられないのですが、もともとの素材や色を軸に、心地いい部屋にするためにはどういったものが必要か、組み立てて考えるのはとても楽しい作業です。がらんとした状態が好きなので、物を増やしすぎないことを心がけています。増え続ける写真集や本、クローゼットだけが問題……」

部屋着としても愛用しているシャツコレクション。特にシャルべのナイトシャツは毎シーズン買い足すほどのユニフォーム的アイテム

簡素な形、丈夫さ、ほどよい雑みが気に入っているフランス軍のソファ

Q 今後のファッションはどうなると思いますか?

「正直、不安なことも多いですが、人間には欲や美が必要だと常々思っています。極論ですが、一着のドレスが人生を救うこともあると思います。世界的に困難な状況を経たなかで、デザイナーたちがどんなファッションを提案してくれるか期待もしています。個人的にはよりいっそう、自分の好きを突き詰めて、マイペースでいきたいと思います」

Q あなたにとって心地いい暮らしとは?

「呼吸を整え、自分を甘やかしすぎないこと。よく眠ること。読書をすること。友人、家族など大切な人とコンタクトをとること。あまり普段と変わらないかもしれませんが、自粛期間を経て、自分の体と心にいつもよりこまやかに、気を配るようになりました」

(右)ピンと姿勢が伸びるような、まっすぐに伸びる廊下も気に入っている
(左)自炊をするようになり「自分でも驚いている」。友人たちおすすめの料理本

photography: Kotori Kawashima(1枚目),Naomi Shimizu

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