畠山千明さんが語る、「ディオール」オートクチュールのショーの感想は?

  前回で紹介した「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展のプレビューに先駆けて、畠山千明さんが堪能したのが、オートクチュールのランウェイ。ここでは彼女の目で見たショーの一部始終と、彼女とディオールにまつわる逸話を公開する。

ドレス、「ジャディオール」バッグ、ブーツ、そしてジュエリーまでディオール秋冬コレクションに身を包み、ショー会場入り口で堂々フォトコールにのぞむ、畠山さん。
ドレス、「スクエアード ディオールアディクト」バッグ、ブーツ、そしてジュエリーまでディオール秋冬コレクションに身を包み、ショー会場入り口で堂々フォトコールにのぞむ、畠山さん。©DIOR

  「今年は私、ディオールと縁があるんです」。個性派モデルの畠山さんは、こう語る。発端は東京でディオールのショーが開かれた際、キャスティングでメゾンのアーティスティック ディレクター、マリア・グラツィア・キウリに会ったこと。「日本語で『可愛い、可愛い』と言ってくれて。私は身長がさほどないのでショーへの出演はかないませんでしたが、その後GINZA SIXでのストアイベントに参加して彼女の作品を手に取り、素晴らしさを実感しました。SPURの撮影でディオールの着用が決まり、たまたまディオールのヴィンテージのトップスを見つけて購入したのも、ちょうどこの頃。さらに今回パリに来ることになり、うれしい偶然の連続です」

ショーの後の人混みに紛れて、畠山さんはバックステージを訪ねた。「マリアグラツィアさん、覚えてくれていたみたいで嬉しいです」。
ショー後の人混みに紛れての2ショット。「マリア・グラツィアさん、覚えてくれていたみたいでうれしいです」。

  7月3日ショーの当日、アンヴァリッドの広場に設置された会場に着いた畠山さんは、まずはセットに感動した。「ビジュアル的にも圧巻でしたが、何しろ世界各地の動物(をかたどったオブジェ)や植物を配するというコンセプトが素敵ですね。(円形の天井に描かれた)星も神秘的。しかも、ショーの直前に急に太陽が出てすごくいい天気になったんです。劇的でした!」

本コレクションの着想元、マリアグラツィア・キウリがメゾンのアーカイブズから見つけた1953年の世界地図にリンクするセットは、ピエトロ・ルッフォによるクリエイション。
本コレクションの着想源、マリア・グラツィア・キウリがメゾンのアーカイブスから見つけた1953年の世界地図にリンクするセットは、ピエトロ・ルッフォによるクリエーション。©Adrien Dirand 

  ショーでの第一印象は、ファースト・ルックのルース・ベル。「彼女がランウェイに現れたら、歓声が上がったんです。フィナーレじゃないのに歓声って、すごいですよね」。もともとはアギネス・ディーンに憧れ、美容師の夫のすすめもあって髪を切った、畠山さん。バズカットで注目され、現在はベリーショートでディオールの顔を務めるルースも、とても気になるモデルのひとりだ。これに続いてはロングコートにマニッシュな帽子を合わせたルックやチュールの一連、そして友人のモデル、江原美希さんのドレス姿にと、畠山さんの目はランウェイに釘付けに。「自分自身、このバズカットにはフェミニンなウェアでコントラストを出すことを楽しんでいるので、好きなルックの連続でした」と、畠山さん。

畠山さんが見た「ディオール」オートクチュール

photography: Virginie de Clausade   interview & text:Minako Norimatsu

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