2020.06.19

No.05 Jeanne Signoles

No.05 Jeanne Signoleの画像_1

夫、息子のジョルジュと

Jeanne Signoles(ジャンヌ・シニョル) /「L/UNIFORM 」ファウンダー&クリエイティブディレクター
南仏・トゥールーズで経済を学んだ後、ラグジュリアスなバッグブランドの事業開発ディレクションを数年間務める。キャンバス地バッグのブランド「リュニフォーム」を2015年にスタートした。今年に入ってホーム・コレクションもローンチ。

庭で摘んだ花を欠かさない、モダンなカントリー・ライフ

南フランス、スペインとの国境に近い村にあるジャンヌ宅で一番居心地がいいのは、自然光が燦々と入るリビング

自然に囲まれた環境が気に入って数年前に購入した物件はもともと17世紀建造のワイナリー。牛舎や納屋と並んで敷地内にあった農夫の住まいを自分たちのアイデアで、800㎡にわたる3フロアの家に改装した

Q インテリアに見る、あなたらしさとは?

「折衷主義。家中には祖母から受け継いだアールデコの花瓶や祖父の写真など家族の思い出の品や、旅先での戦利品、集めている(南仏特有の)ヴァロリス陶器、フラミンゴの剥製などを、思いのままに飾っているの。ランチョンマットからクッションまで、リュニフォームのホーム・コレクション・アイテムもね。地元で見つけた籘の家具や北欧の棚など、アンティークは衝動買いが多いかしら。そして元気の源は、ポイント使いの色!」

(右)長年集めているマリーエレーヌ・ドゥ・タイヤックのファイン・ジュエリー
(左)食卓には、アーティスト、マリー・クリストフの針金細工の容器やリュニフォームのワインボトル・ケースを

北欧アンティークの棚に並ぶのは、日本で買ったおもちゃや夫が釣った魚の剥製まで

Q 気持ちいい一日の始め方を教えてください

「子どもたちの通学のために、私たちの平日の住まいはトゥールーズ市内のアパルトマンだけど、ロックダウン中はこのウィークエンドハウスで過ごしているの。でも日課はほぼ変わらず。ラジオ局France Interでニュースを聞きながら、7時頃にゆっくりと起床。7時半からはピラティス、そして末っ子を起こしてキス&ハグ、家族の朝ごはんを準備。その後すぐ仕事にかかり、カルカッソンヌのアトリエ、パリのオフィス、パリと東京のPRたちと電話打ち合わせ」

Q あなたにとって心地いい暮らしとは?

「まずは自然に囲まれた環境で暮らせることね。“フランスのトスカーナ”と呼ばれるこの地方は美しくて、海までも、冬はスキーができる山までも車で45分と、立地条件も最高。また私たちの寝室は3階建ての家の最上階にあるので、朝起きたらすぐに小さな窓から緑を眺め、深呼吸して鳥のさえずりにうっとりし、毎朝幸せを噛みしめるわ。そして最近は、将来のことはあまり考えずに、とにかく家族と過ごせる毎日に心地よさを感じているの。すべてを計画しなくても、来たる状況に身を任せるのも悪くないかな、と」

作家のラグやレバノン製のベッドカバー、ジャン・プルヴェのランプを配した寝室

Q ロックダウン下の生活で変わったことは?

「仕事に追われ旅も多い普段に比べて、子どもたちと過ごせる時間が増えたこと。ロックダウンでは不便さやストレスは仕方ないけれど、こんなポジティブな一面もあるのね。特に日常の些細なこと、たとえば6歳の息子と歯磨きをともにできるのはとても楽しい。娘が弾くギターにもちゃんと耳を傾けて。毎日の料理でパンだって焼くし、テーブルセッティングも楽しんでるわ」

(右)末っ子ジョルジュの部屋はフェルト製の動物の飾りやリバティのクッションでにぎやかに
(左)夫から贈られたムラノガラスの花瓶に生けたのは、庭で摘んだ野生のエニシダの花

リュニフォームの大きなクッションとデイベッドを配した庭でくつろぐ子どもたち。15歳のジョゼフ(左)の双子の妹、ヴィオレットは音楽の才があり、ギターと歌が得意

interview & text: Minako Norimatsu

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