2020.06.19

No.16 Pauliina Pitkänen

No.16 Pauliina Pitkäの画像_1

Pauliina Pitkänen(パウリーナ・ピトゥカネン)/サロンオーナー
フィンランド・ヘルシンキでサロンを経営。8年前に1948年に建てられた現在の戸建てに出合い購入を即決。以来、コツコツと自分たちの手でDIYをしながら居心地のいい家づくりを継続中。家族は、パートナーと猫カーポ(2歳)&ケルットゥ(10歳)。

世界で一番好きな場所をDIYし続ける幸せ

すべて自分たちでDIYしたというキッチン。朝日の入り方にこだわり、可愛らしい壁紙やカーテンで明るい印象

Q 家づくりのテーマは何ですか?

「古いもの、色、そしてフィンランドのもの、の3つがテーマ。もともと蚤の市を巡るのが趣味だったので、現在のスタイルにたどり着いたのは自然な流れでした。特に私は鮮やかな色から元気と心の安定を得られるタイプ。今昔問わず、フィンランドの企業で作られたものを選ぶことも大切だと考えています。パートナーと一緒に、家の修繕などはふたりのプロジェクトとして楽しんでいるの」

(右)庭には可愛らしいガーデンハウスが。家探しの際に、この庭も購入の決め手に
(左)リビングの家具はほとんど蚤の市で出合ったもの。この家を購入した際、家具などもそのままの状態で買い取り、残したものも。その歴史を含めて愛着がある

Q 現在の日常についてと、日々の楽しみについて教えてください

「現在は予約が入るタイミングだけヘアサロンに出かけて仕事をしている状態。サロン以外では仕事はしないため、空いた時間は家での“仕事”をしています。家では工作的なことをするほか、家具を修繕したり、改築を少しずつ進める作業などを。キッチンはすべて自分たちの手で改装したの。古い家なので『直すところがもうない!』という状態はなくて、いつもどこかに手を加える楽しみがある。夏が来る頃には、今まいている種が育つはず。それを庭の畑に移し収穫するのも楽しみ」

Q あなたにとって心地いい暮らしとは何ですか?

「心地いい暮らしとは、自分らしく暮らすこと。私の場合、それは古い戸建てに暮らすこと。具体的には庭仕事をして、古い家を修繕して……という作業が自分らしい時間。真新しくてピカピカの住宅には、暮らせないと思う。家の仕事や修繕には締め切りがなく、『何時までにここを出ないと』という感覚もない。家にいる安心感の中で、追い立てられず好きな作業に没頭できる。ここが世界一、心地いい場所なの」

(上)階段を降りると地下室への入り口が。階段にはカラフルなラシュマット(フィンランドの伝統的な裂き織り)を
(右下)リビングルームでは、猫のカーポも可愛い家具に囲まれてリラックス
(左下)古いテレビもカーポのお気に入り。美しい飴色の壁が家の歴史を物語る

photography: Pauliina Pitkänen coordination: Yoshiko Utano

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