ステフが以前、植物園を訪れた際の一枚
Steph Wilson(ステフ・ウィルソン)/フォトグラファー
1992年生まれ。ロンドンベースの写真家・ビデオグラファー。『Dazed & Confused』や『Document Journal』など数多くのモード誌で活躍。ファッション写真とファインアートの橋渡しとなる作品で、多くの支持を集めている。
鳥のさえずりが響き渡る自然に愛された空間
もともと教会だった建物。所狭しと飾られた植物に、天窓からの光が注ぎ込む。オレンジのラグは100年以上前のもの。彼女のお気に入りだ
Q この家に出合うまでの物語を教えてください
「昔この建物は教会だったそうです。80年代には学校に改修され、そのまま放置されていた状態で3年ほど前に購入。今の家からは想像もできないような汚れた状態で、リノベーションするのにかなり時間がかかりました。建設業者には発注しましたが、インテリアデザイナーなどには頼らず、すべて自分でデザインし、理想的な住まいを作り上げました」
メインのリビングに続くシッティングルーム
(右)ヴィンテージのキャビネットはマーケットで掘り出した戦利品のひとつ。随所に飾られたサボテンは、彫刻のようなユニークな佇まいがお気に入り
(左)階段の周りにはドライフラワーを飾って
Q あなたにとって心地いい暮らしとは?
「自然を身近に感じられる、日当たりのよいリビングで動物たちと戯れているときが一番心地いい時間。この家には今、ポメラニアン2匹、12羽のカナリア、3羽のコキンチョウ、オウム1羽と2匹の魚がいます。鳥のさえずりが響き渡るメインルームで趣味のクラシック音楽を聴いたり本を読んだり、植物の手入れをしたり。そこに安心できる空間があることが重要だと思っています。将来的には田舎に引っ越して大きな鳥小屋を建て、たくさんのポメラニアンとオウムを飼いながら、庭には英国式バラ園をつくり暮らすのが夢」
(右)愛犬、ポメラニアンのフラワーちゃん
(左)リビングルームにある大きな鳥かご
広々としたオープンキッチン
Q インテリアにおけるこだわりは何ですか?
「家具のほとんどをヴィンテージで揃えていることです。仕事で行った国で購入したものや、マーケットで買ったもの、数年前に亡くなった父が昔シンガポールやバリに住んでいたので、父から譲り受けたオリエンタル・ヴィンテージも多くあります。一番のお気に入りはリビングに敷いてあるオレンジ色のラグ。モロッコに行った際に購入したもので、100年以上前のラグなのに£150で購入したんですよ! 古いものには趣があり、一つひとつが持つ歴史を感じられるのが魅力だと思います」
(右)セカンドベッドルームにあるピンクのアームチェア。愛犬のお気に入りの場所で、目を離すとこのソファでくつろいでいるそう。窓にはサボテンの鉢を吊るしている
(左)リビングにあるテーブルにはいろいろな土地で購入した花器やキャンドルホルダーが並ぶ。中央に置かれた丸い白い花瓶は、ロンドン在住の日本人陶芸アーティストのノエ・クレモトの作品。「自宅近所のセレクトショップでひと目惚れ」
Q 自宅ではどのように過ごしていますか?
「外出禁止中は、ボーイフレンドが淹れる一杯の紅茶を寝室で頂くことから一日が始まります。その後、動物たちの餌の準備をするのが朝のルーティン。最近は陶芸でポットを作ってみたり、お風呂に浸かってみたり。必要がなくても掃除をしたりしていますね。でもほとんどの時間は愛犬のハム、フラワーや小鳥たちと庭やリビングで遊んでいます」
(右上・左上)淡いピンクとグリーンのコントラストが目を引くバスルーム。猫足のバスタブがなんともキュート。彼女の家にあるほとんどの植物は友人が経営するショップ、Conservatory Archivesで購入
(右下)メインベッドルームにもたくさんの緑が置かれる。写り込んでいるのは愛犬のハム
photography: Steph Wilson text: Saori Yoshida