お気に入りのシンプルなレシピでよく作るというアイスクリームとともに。ステイホーム期間も、普段と同じようにドレスアップを欠かさない。アンティークのブローチも定番のスタイル。「シェフ用のエプロンは、業務用のグッズを扱うショップで購入しました」
(右)ガラスの器にビスケットを
(左)ミルク、フレッシュなクリーム、砂糖とバニラに加え「とっておきの秘密は、スプーン1杯の小麦粉を入れること!」
Gherardo Felloni(ゲラルド・フェローニ)/「RogerVivier」クリエイティブ・ディレクター
イタリア・トスカーナ出身。パリのグランメゾンでシューズ、アクセサリーのヘッドデザイナーを務め、2018年3月より「ロジェヴィヴィエ」のクリエイティブ・ディレクターに就任。モダンで折衷主義的なデザインが人気を博している。
トスカーナ地方の島に立つ歴史的な元灯台で自然とともにステイ
家の前で心地よい陽射しを浴びて
Q この家に出合った経緯、お気に入りのポイントを教えてください
「ジリオ島にあるこの『ヴァカレッチェの灯台(Instagram:@farodellevaccarecce)』は縁あってオークションで購入しました。19世紀に建築されたのですが、標高が高すぎて光が雲に遮られ海から見えず、船が沈んでいたんです! そのため灯台として使われず20年ほど放置された後、島の北端と南端に新たに灯台が造られ、ここは廃墟となりました。ジリオ島はトスカーナ地方の離島ですが、私はトスカーナ出身なので特別な思い入れがあります。モンテクリスト島など美しい島々も望める、素晴らしい景色もお気に入りですね」
Q ゲラルドさんにとって心地いい暮らしとは何でしょうか?
「田舎で育ったこともあり、一番心地いいと感じられるのは自然に囲まれた土地での暮らしです。今、広い空の下で思いきり深呼吸できる生活に心から感謝していますね。普段、朝は早起きをして、おいしいコーヒーとともに日の出を眺めます。そのあと、朝7時くらいからゆっくり庭の手入れや植物の水やり、剪定をするのが日課。時には日が暮れるまで終日作業することも」
(右)「灯台は海抜300mの丘陵地にあり、今は周辺の800㎡をガーデンにしていますがさらに広げる計画です」。アーティチョーク(写真)に加え、トマトやナスなど野菜から、タイムやローズマリー、バジル、オレガノなどハーブ類まで幅広く育てている
(左上)セージの苗を植えるところ
(左下)「ようやく時間に余裕ができたので、これまでじっくり読めなかった本を開くようにしています。この写真集はベルナール・フォコンが一般の人々とモデルを一緒にさまざまなシーンで撮影したものです」
Q この期間を経て、今後のファッションはどうなっていくと思いますか?
「これまでとはすべてが変わり、いい意味で進化することを余儀なくされると思う。消費活動はより高い意識を持って行われるようになり、何を購入するのか、そしてそれは何のための購買なのか、一つひとつ考えることが必要になっていくでしょうね」
(右)日本のフェイスマスクも大活躍。ロイヒつぼ膏は首や肩が痛いときに
(左)週に2、3回は絵を描いていて、この日はカラーペンでボーイフレンドをスケッチ
1階のリビングルーム。周りのベッドルームをつなぐように中央に位置している。「空間にベストな家具を設置するために、いいものがなければカスタムでオーダーします。今は友人であるイタリア人のインテリアデザイナー、ドゥッチオ・マリア・ガンビにダイニングルーム用の新しいテーブルのデザインを頼んでいます!」
photography: Gherardo Felloni