ソムリエ田邉公一さん監修【カルディコーヒーファーム】の本当においしい¥1,000台ワイン【うち飲み向上委員会vol.48】

秋の到来とともに、ムクムクとふくらむワイン欲! 夕暮れ時の涼しい風に誘われて、うち飲み向上委員会が吸い込まれたのは、国内外のおいしいものが大渋滞する「カルディコーヒーファーム」。迷うほどたくさんのワインが揃うお酒コーナーから、ソムリエの田邉公一さんがおすすめする選りすぐりのワインを飲み比べ。ワインラバーもビギナーも必見! 今の季節にぴったりの味わいをガイドします。

ソムリエおすすめ! 今秋に飲むべきワイン&ペアリング

ライターYOKOMIZO(以下Z)体というのは神秘的なもので、秋の気配を感じて内なる声がワインを欲している! そこで今回はうち飲み向上委員会のジェダイマスターならぬワインマスター、ソムリエの田邉公一さんに「カルディコーヒーファーム」で買える秋のおすすめワインを教えていただきたいと思います!

田邉公一さん(以下T)季節により飲みたいテイストって変わるもの。おすすめのカルディの食品だけでなく、旬の食材とも合うので参考にしてもらえたら嬉しいです。

ライターAKIYAMA(以下A)¥1,000台のワインと、番外編としてスペシャルなスパークリングを紹介します。「ベストうち飲み賞」もお見逃しなく!

世界最高の白品種をデイリーに!「EKW モーゼル リースリング」

バルカトリナ ロゼ
EKW モーゼル リースリング〈750㎖〉¥1,232/カルディコーヒーファーム

Z このドイツのリースリングは¥1,000台! 最近忙しくてうち飲みもできなかったので、久しぶりのワインが五臓六腑に沁みるぜ! ほんのり甘みとコクがあり、秋にぴったりの味ですね。

T リースリングは高級な品種なので、このワインはかなり安い! シャルドネと並ぶ世界最高の白品種とされているんですよ。しかも産地であるモーゼル地方のリースリングはオークションで100万円超えの値が付くものもあるくらい。

A なんと! モーゼル地方というのはどんなところなのでしょうか?

T ドイツにはワインの有名な産地が13箇所あって、その中でも有力な産地が2つあり、その1つがこのモーゼル地方なんです。モーゼルのリースリングは非常に有名で、レベルが高い! このワインも期待を裏切らない味で、¥1,000台は破格だと思います。

Z おいしいリースリングというのは?

T リースリングは酸度が高く、フルーティな味わい。ドイツで造られる場合は白桃や青リンゴとか、そんなフルーツのフレッシュなニュアンスも加わり、香りも華やかです。酸っぱくなり過ぎてしまうことがあるので、ドイツでは残糖感で酸とのバランスを付けることが多いですね。これも辛口タイプではあるけれど、最初のアタックに甘みを感じたのはそういうこと。

A かといって甘ったるいとかでは全くなくて、余韻もスッキリしています。

T 酸がしっかりしているからですね!

Z 田邉さんにはカルディで販売しているフードからペアリングを選んでいただきましたが、リースリングには何を合わせましょう?

T カマンベールとゴルゴンゾーラを組み合わせたドイツのチーズ、「カンボゾーラ」と産地合わせのペアリングでどうぞ! ブルーチーズは塩っけが強めなので、リースリングの甘みと相性がいい。それでいてクセはマイルドになっているので、食べやすいと思います。

濃厚で飲みやすいイタリアの赤「ヴィッラ・マシェッティ プリミティーヴォ」

バッカス エクストラ・ドライ 2021 ヴィエイユ ヴィーニュ
ヴィッラ・マシェッティ プリミティーヴォ〈750㎖〉¥1,040/カルディコーヒーファーム

A 太陽をいっぱい浴びた果実を丸ごと味わっているようなワイルドな味が気取ってなくて好み〜! 濃厚だけど飲みやすい、いい意味でアカンやつです。

T 以前から好きな、イタリア南側の温暖なプーリア州で造られた赤ワインがカルディにありました! プリミティーヴォはプーリアを代表する品種なのですが、アメリカではジンファンデルと呼ばれています。カリフォルニアではすっごく人気がある品種なので、こっちの呼称の方が有名かもしれません。同じ葡萄ではあるけれど、土地が違うので性質はちょっと変わります。

Z 2つの顔を持つミステリアス葡萄! どんな品種なんですか? ジンファンデルとの違いも知りたい! 

T ジンファンデルはジャムっぽくて甘みが強い。プリミティーヴォの方が軽快で、ほどよく甘いですね。干し葡萄のような、よく熟れた甘い果実感があります。香りはブラックチェリーやフルーツコンポートのニュアンスが。若干チョコレートっぽい感じもありますね。カリフォルニアのジンファンデルは安くても¥2,000はする、同じ品種の赤ワインをこの値段で飲めるのは珍しいことです!

Z 昼はジンファンデルという名の富豪が、夜はプリミティーヴォというダークヒーローに変身! そんなドラマを感じる葡萄だわ。

A それ、まんまバットマン(笑)。合わせるおつまみは何がおすすめですか?

T 山形豚のジャーキー」がイチオシです。野生的なニュアンスが合いますね。ラムチョップのグリルとか肉料理でもいいんですけど、ワインに甘みがあるのでちょっとしたおつまみがあれば十分に満足できると思います。ジャーキーの香ばしさはワインと通じるところがあり、ぴったり。

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シャンパンに似たお手頃スパークリング「エクラ メトード・トラディショネル・ブリュット」

コバ・サンタ スウィート・ガルナッチャ
エクラ メトード・トラディショネル・ブリュット〈750㎖〉¥1,408/カルディコーヒーファーム

T メトード・トラディショネルとエチケットに書いてあるんですけど、これは伝統的な製法だということを意味しています。瓶内二次発酵でシャンパン式の製法に似ていながらもお手頃! シャンパン式はすごく手間も時間もかかる造り方なので、¥1,000台のプライスはかなり難しいはずなんですよ。

Z なるほど! 味わいも田邉さんのお墨付きの1本ということですよね?

T 絶対おいしいと確信したのが、シュナン・ブランを主力にグロローとカベルネ・フランをブレンドしていて、いずれも銘醸地・ロワール地方の品種なんです。形式上は場所を謳えず、ヴァン・ムスーという法律上一番ゆるいカテゴリーのフランスのスパークリングということになります。でも、厳密にいうとロワールのスパークリングだと思う。テーブルスパークリングワインだから安いんですけど、かなりハイクオリティで造っていますよ

A その醸造方法を選ぶのはやっぱりおいしいからですか?

T そうですね。シャンパン式で造ると旨みが出て、泡がきめ細やか。瓶内二次発酵は澱の旨みが出るまで熟成し、香りに複雑性や味わいに深みのあるスタイルが生まれやすいんです。この泡は、熟成期間が短いなどシャンパンの規定とは違いますけど、発酵方法的には非常に近い。

A ちゃんとおいしくて、乾杯のワインにはうってつけですね! それでいていてお手頃だから気張らずに飲めるのも嬉しい。

T 乾杯はもちろん、締めに飲むのもおすすめ。シャンパーニュ式のスパークリングってトーストやビスケットの香りがするとも言われていて、カルディペアリングは「ブリオッシュフレンチトースト」と一緒にどうぞ。ニュアンスが合うので、おいしいですよ!

Z あ〜やばい! アフタヌーンティーにもスパークリングワインが付いてきますよね。あれはもう極楽浄土の再現だと思う。カルディの極楽セットも早速試します!

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オーストラリアの銘醸地を知る!「ヤーリングアップ レゼルヴ カベルネ・メルロー」

GWF フランケン シルヴァーナー カビネット・トロッケン
ヤーリングアップ レゼルヴ カベルネ・メルロー〈750㎖〉¥1,485/カルディコーヒーファーム

A エチケットがおしゃれ〜! 自然派ワインや小規模生産者っぽいムードがありますよ。¥1,000台とは思えない、高見えですね! 手土産にもいい。

T かっこいいですよね。やはり秋なので赤ワインをもう一本ご紹介したく、これにしました!パースの近くに、西オーストラリア最有力産地と呼ばれるマーガレット・リヴァーというエリアがあり、そこで造られたワインです。最も有名で、最もおいしいワインが造られるエリアと評価されています。シャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンが有名なんですけど、そのカベルネを使ってこの価格は破格。この満足度のワインだったら、¥2,000以上は当たり前で¥3,000くらいのものもありますから。しかもこの赤は2019年なので4年熟成、飲んだら喜んでもらえると思います!

A パワーワードが止まらない、カルディのワイン棚が動きますよ!カベルネ・ソーヴィニヨンを主に、メルローをブレンドしているんですね。マーガレット・リヴァーはボルドーに似た、ワイン造りには理想的な気候条件が揃っているんですか?

T オーストラリアは2〜3品種をブレンドするのが一般的です。ボルドーは海洋性気候で、砂利が多いんですよね。それがカベルネに向いている。カベルネって熟れないとピーマンみたいな香りがしますが、この気候条件だと完熟でき、心地よい針葉樹のような香りに。尚且つカカオやコーヒーのようなニュアンスや、スパイス感のアクセントがあって、タンニンのバランスも悪くない!

Z ペアリングはどうですか?

T 東坡肉風 豚角煮」が合うなと思いました! タンニンは脂質とすごく相性がいいんですよ。オーストラリアのワインはカリフォルニアと一緒で、日射の強さによる甘みがあります。この果実味が角煮のオリエンタルな味わいとマッチするはず。

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【番外編】北海道の華やか泡をいち早く!「ピノ・ノワール ロゼ スパークリング 2022 フジモトヴィンヤード」

アルティキアーリ プロセッコ エクストラ・ドライ
ピノ・ノワール ロゼ スパークリング 2022 フジモトヴィンヤード〈750㎖〉¥3,828/カルディコーヒーファーム

T 番外編として、キャメルファームワイナリーの新作ロゼスパークリングもおいしかったのでピックアップしてみました。

Z ¥3,828はちゃんとおいしくないと許せないプライスですよ! 自信作なんだろうなあ。

T 今、国産ワインブームで、北海道ワインは成長著しい。なかでも余市は日本を代表する産地になりえるし、世界が注目する可能性があると思います。余市はピノ・ノワール推しですが、これまで日本ではピノ・ノワールをおいしく造ることが難しかった。北海道は冷涼で本州よりもカラッとした気候が適していて、追い風が吹いていますね。

Z ピンクグレープフルーツのような果実味でアガる味! お祝いの時に飲みたいです

T シャルマ式というタンク内二次発酵なのですが、この製法はフルーティなスパークリングを造るのが目的。瓶内二次発酵と違って、澱と接触する時間を取らないことで、こういうフレッシュなスパークリングを造ることができるんですよ。

Z このロゼスパークリングの推しポイントは?

T 甘みがあるんですけど、酸味とのバランスがいい! ピノ・ノワールらしいラズベリーや苺のニュアンスを感じます。余市のスパークリングは希少性もあるので、プライスも納得。

A 色も可愛いし、めちゃくちゃ飲みやすい! うんちくもいっぱい語れてワイン通ぶれる(笑)、社交ツールにもなってくれますよ。

T ペアリングは、「あんぽ柿のご褒美クリームチーズ」をおつまみにして。食後酒は泡で爽やかに締めたいというワインラバーが最近多いので、こういうちょっと甘みのあるロゼスパークリングとデザートの組み合わせは最適! ニュアンス合わせで、苺のショートケーキもおすすめです

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〜今回の「ベストうち飲み賞」を発表!〜


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 「ベストうち飲み賞」、悩むなあ。僕は「エクラ メトード・トラディショネル・ブリュット」に一票。ロワールの主力品種を使っているところが魅力! シュナン・ブランはカリンや金木犀の香りと言われ、季節的にもマッチします。

A・Z 「ヤーリングアップ レゼルヴ カベルネ・メルロー」はおいしさはもちろん、ジャケ買いしたくなるおしゃれっぷりでした。私たち二票はこちらに…!

T この赤をブラインドで飲んだら¥1,000台とは思わない、泡と同じくらいコスパが良いです!

Z 大人気のカルディは商品回転が速いので、気になったらすぐにお店へGO♡

【うち飲み向上委員会メンバー】

田邉公一
ソムリエ・ワインディレクター。レストランやワインショップ数社の飲料の監修を手掛ける。飲食店のワインはもちろん、コンビニやスーパーのワインにも一切の妥協なく日夜真剣に向き合っている。ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」の講師。https://twitter.com/tanabe_duvin

ライターYOKOMIZO
おいしいお酒とごはんのためなら、高い海外輸送費も厭わず即ポチ。苦手な家事は休日に大好物の泡を飲みながらやっつけます。最近は海外の料理番組を観て、妄想トラベル。

エディターAKIYAMA
お酒はもっぱら外でハシゴ酒だったのが、ここ3年でうち飲みの魅力に開眼! おいしいお酒を飲みながら、ほろ酔い気分で愛猫と遊ぶのが至福の時間。

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