No.08 Charlie Engman

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『テラスハウス』にはまっている」というチャーリー。日本文化に造詣が深く、日本語も堪能

Charlie Engman(チャーリー・エングマン)/フォトグラファー
シカゴ出身、NY拠点のフォトグラファー。オックスフォード大学卒業。米『VOGUE』、『AnOther Magazine』といったファッション誌や広告で活躍している。NYブランド、コリーナストラーダではスタイリングを手がけることも。

インスピレーションはほどよいカオスから生まれる

撮影スタジオを兼ねたリビングルーム

Q あなたにとって心地いい暮らしとは?

「ふと何かしたいと思ったときに、それが自由にできるのが心地いい暮らし。今はそれが難しいけれど、自分の考え方を見つめるいい機会だと思っています。ワークスペースを兼ねたこの部屋でも思い立ったらすぐ作品に取り掛かれるように、なるべく撮影で使ったプロップや仕事道具などをそのままにして、混沌とした状態を保つようにしています。片づけすぎるとアイデアも生まれなくなってしまうので」

手前の植木鉢には日本で買ったアイドルのうちわとポケモンのお菓子の蓋を飾って。最近読んだ本は、Anna Lowenhaupt Tsing著の『The Mushroom at the End of the World』。「松茸を通して経済や文化を考察する本です」

自身の母を撮影した写真集『MOM』は発売したばかり。日本でも展開予定

Q ロックダウン期間中はどんなふうに過ごしていますか?

「家やスタジオにこもり、盟友であり家族のような存在のヒラリー・テイマー(コリーナストラーダのデザイナー)とデッドストック生地を用いてマスクを作っています。このマスクをひとつ買うことで医療用マスク5個分が医療従事者へ寄付される仕組み。あとは裁縫の腕を上げたくて、着なくなった服をアップサイクル。ワッペンをつけたり、刺しゅうを入れてみたり。自分はフリーランスなので、給料がない期間が長いことも、人生では当たり前にあることとして受け止めています」

(上)仕事で使用しているプリンター
(下)「ソファは友人が作ってくれました」。アニメキャラクターのクッションやぬいぐるみは、エディトリアル撮影のために用意したプロップ

Q “ステイホーム”を経て、作品に反映させていきたいことは?

「今までもそうでしたが、より作品に向き合う際に社会問題を意識したいと思うようになりました。これはTwitterで見つけた意見で納得したことなんですが、アート作品をケーキ、社会への問題提起を卵だとすると、ケーキは卵がないと作れない。でも、卵を入れすぎたり、正しい作り方で調理しないとおいしいケーキに仕上がらないから、人々に食べてもらえないという話。何事にも自分の意見を込めることは大切ですが、僕はできるだけおいしいケーキを作っていきたいと思っているんです」

発泡スチロールの板にイラストや写真などを貼りつけてインスピレーションボードに

犬の絵はパリの百貨店で購入。下のほうに写っているのは森のハイキングで拾った鹿の頭蓋骨。左のレイが掛けてある像は、リサイクルショップで購入したゴルフの賞品。「建築ジオラマのためのミニチュアの木を接着剤であちこちにつけて遊んでみました」

photography: Charlie Engman

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