【ディオール】のジュエリー、「ローズ デ ヴァン」​​｜人生を彩る名品図鑑

「私は幸運に恵まれる喜びを大切にしたいのです」——そう回顧録に記した、クリスチャン・ディオール。幼少期よりジンクスを大切にしていた彼が育ったのは、ノルマンディー地方のグランヴィルにある、海に面した館、通称“レ リュンブ”。リュンブとは、航海用語で32方位の羅針図上の順風を意味し、この館はかつて船主が所有していたことから、風向きをあらわす風配図が家の中や裏庭などあちこちに描かれていたという。そんな風配図はムッシュ ディオールの目に特別なモチーフとして刻まれ、後にクチュリエとしての道を歩み始めてからも、デザインソースとしてさまざまなクリエイションに解釈されてきた。

そして時を経て2015年、ディオールのファイン ジュエリー クリエイティブ ディレクターを務めるヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌは、風が導く旅に着想を得た「ローズ デ ヴァン」コレクションを発表。フランス語で“風配図”という意味を持つこのコレクションは、八方に伸びる風配図に、ムッシュ ディオールが同じく大切にしていた幸運のモチーフ、“ラッキースター”を重ね合わせたデザインが特徴。
1946年、パリの道に落ちていた金属製の星モチーフを拾い、運命的なものを感じ、それをお守りとして大事にしていたというムッシュ ディオール。その星に導かれるように、オートクチュールメゾン ディオールを創設することを決意したという逸話が残されている。

またもうひとつ、「ローズ デ ヴァン」がデザインのインスピレーション源に採用したのが、“バラの花”だ。「ありがたいことに、この世界には花がある」と言葉を残す程、花に傾倒していたムッシュ ディオール。とりわけバラを愛し、母マドレーヌが丹精込めて世話をしていたレ リュンブにあるローズガーデンは、生前の彼のお気に入りの場所でもあった。

そんな“風配図・ラッキースター・バラの花”というアイコニックなシンボルを見事に組み合わせ、優雅でマジカルな世界観を完成させた「ローズ デ ヴァン」。このコレクションは、ムッシュ ディオールのパーソナルな感性を宿したアイコンジュエリーというだけでなく、人生という旅を幸福へ導くお守りジュエリーとして、発売から現在に至るまで、多くの人を魅了し続けている。

2015年に誕生したこのコレクションは現在、テーマが異なる3つのラインで構成されている。「ジュエリーを自分らしく楽しんでまとってもらいたい」というヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌの願いを反映させた3ラインは、いずれもスタイリングを自由に楽しめ、さらにライン同士の重ね付けもしやすいので、人生の節目ごとに買い足しながらいくつもコレクションするファンも多い。ここからはそれぞれ個性が光る、3つのラインの魅力を解説しよう。

【1】ローズ デ ヴァン

定番にして原点とも言える「ローズ デ ヴァン」は、メダイヨンがシンボリックに輝くデザインが特徴。八芒星を配した片面と、ムッシュ ディオールのお気に入りのカラーのストーンやマザーオブパールで彩られたもう片面のダブルフェイスを楽しむことができ、煌めくダイヤモンドの装飾が、身につける人の人生を華やかに照らしてくれる。
メダイヨンを囲むのは、船乗りが用いるロープを想起させるゴールドのライスグレインモチーフ。「ローズ デ ヴァン」コレクションらしいアイコニックな要素が詰まった、エターナルな魅力に溢れたラインだ。

【2】「ローズ セレスト」

ムッシュ ディオールの占い好きの一面にオマージュを捧げ、“月”と“太陽”をモチーフに取り入れた魅惑のライン。片面には、オニキスをバックに星々が寄り添う月が姿を現し、もう片面にはマザーオブパールをバックに、イエローゴールドの太陽が燦々と輝く。
微笑みを湛えた月の口と目は、メゾンの職人たちが一つひとつ緻密に彫ったもの。さらにオニキスは曲面が滑らかになるよう丹念に磨かれ、随所に卓越したクラフツマンシップが垣間見える。
また「ローズ デ ヴァン」と「ローズ セレスト」を組み合わせたデザインのモデルは、より神秘的な世界観が際立ち、お守りと呼ぶに相応しいジュエリーに仕上がっている。

【3】「エトワール デ ヴァン」

2024年4月に新たに誕生したばかりの「エトワール デ ヴァン」は、「ローズ デ ヴァン」の“八芒星”にフィーチャーしたコレクション。ゴールドにダイヤモンドをあしらったスターモチーフは、オーセンティックな美しさが際立ち、圧倒的な煌めきを放つ。
またダイヤモンドのほか、ピンクサファイアやツァボライトであしらわれたアイテムもラインナップ。3ラインの中でもひと際モダンなクリエイティブが光る、スタイリッシュなライン。

ネックレス、リング、ブレスレット、ピアスといったアイテムを、イエロー・ピンク・ホワイトの3種のゴールドと、ダイヤモンドやカラーストーンなどの多彩なバリエーションで展開する「ローズ デ ヴァン」コレクション。魅力的なラインナップの中から、SPUR.JPが注目したアイテムを一挙に紹介！

八芒星を配した面と、カラーストーンやマザーオブパールで仕上げられた面のダブルフェイスで楽しめる、定番ネックレス。バリエーションは、ピンクオパール、マザーオブパール、ターコイズ、オニキス、マラカイトなど豊富なラインナップの中から選べる。

ダイヤモンドの一粒ペンダントにメダイヨンが垂れ下がり、身につける人の所作に合わせてチャーミングに揺れる。1つだけでも十分な存在感があるが、長さ違いのネックレスを重ねて、自分らしいスタイリングを楽しんで。

シャープな八芒星が、胸もとに知性を添える。ミニマルモダンなデザインで、シャツを使ったカジュアルスタイルから、華やかなドレスアップスタイルまで、どんなファッションにも絶妙にマッチ。

お守りのように毎日身につけたいアイコニックなリングは、“ファースト ローズ デ ヴァン”にぴったり。華やかなイエローゴールドと優雅なマザーオブパールの組み合わせが、エターナルな美しさを醸す。

すでに前出の定番リングを持っているという人は、メダイヨンと一石ダイヤを並べた、こちらのスタイリッシュなリングを買い足してみては？ ホワイトゴールドとダイヤモンドが織りなすピュアな輝きに酔いしれて。

「ローズ デ ヴァン」と「ローズ セレスト」の面、そしてマザーオブパールの面へとリズミカルに表情が変わる、360度どこを切り取ってもゴージャスなブレスレット。繊細なミルグレインや太陽と月の彫り模様など、メゾンの卓越性を味わえる芸術的なデザイン。

「ローズ セレスト」の太陽と月のモチーフを、一石ダイヤを添えた流れるようなチェーンで繋いだ、ドラマティックなシングルピアス。チェーンの位置は調節可能なクリップを使って、好みの高さで着用することができる。

耳もとでエトワール（星）がキラリと輝く。デイリーに取り入れやすいミニマルなデザインで、人生の相棒ジュエリーとなってくれること間違いなし。「ローズ デ ヴァン」コレクションの他のピアスとの相性も抜群。

主演ドラマ『ウェンズデー』のヒットをキッカケに、若手俳優として一躍大ブレイクを果たしたジェナ・オルテガ。2023年よりディオールのアンバサダーを務める彼女は、2024年の「ローズ デ ヴァン」コレクションのキャンペーンに登場。個性的でミステリアスなジェナのキャラクターに、エレガンスとモードが共存する、モダンな“エトワール デ ヴァン”のジュエリーがよく似合う。

ジェナと同じくディオールのアンバサダーを務める、韓国が世界に誇るトップアイドル・NewJeansのへリン。2023年に「ローズ デ ヴァン」コレクションのキャンペーンに出演した際には、リングやイヤリングを自在に組み合わせた、プレイフルなスタイリングを披露。色とりどりの「ローズ デ ヴァン」のジュエリーが、透明感あふれるヘリンの魅力をよりチャーミングに引き出している。