【INTRODUCTION】下半期サマリー

2019年7月から12月の流れと方針を『コジコジ』の名台詞とともに真木あかりさんがナビゲート。どんなマインドセットで過ごせば正解? 物知りじいさんと先生も片隅から応援します!

「今を一生懸命に、自分の人生と向き合うとき」
by 真木あかり


「今を楽しむ」ことがより本格的に求められる

2019年上半期、5月の改元前後の世の中は少し浮き立つような、華やいだムードに包まれていました。平成から令和へ。百貨店や駅でも「祝・令和」という言葉が掲げられ、メディアでも「これからどうなる?」的な話題をよく見かけることとなりました。普段は元号を意識することがないような人も、まるでお正月が2回来るようなワクワク感を覚えたかもしれません。

数秘術の観点から見ると、2019年という年は「3」、「今を楽しむ」といった意味合いを持つ年です。世の中全体に楽観的なムードが漂い、混沌としていたことにも「なんとかなる」というめどが見えてくるのでしょう。もちろんずっと「ウェーイ」といったムードばかりではなく、他のどの年とも同じように、いいこともそうでないことも、まるでさまざまな糸が集められて一枚のタペストリーが織り上げられるように、絡み合い隣り合って起こっていくのでしょう。そうしたなか、「3」の年を生きる私たちができるベストなことが、「今を楽しむ」ということなのです。どんなこともポジティブに捉えろ、なんてひどいことは申しません。うれしいときは思い切り、悲しいときはそれなりに、自分の人生を意義あるものとして生きることが「今を楽しむ」ことだと、私は考えています。

『コジコジ』には、地球からメルヘンの国に連れてこられ、自分のアイデンティティを失ったジョニーというキャラクターが登場します。クラスメートたちのように魔法を使ったり空を飛んだりすることはできず、王様でもなければ家族もいない。そもそもメルヘンの国の住民に課せられた使命「人間を楽しませる」という役割すらないのです。そんな彼は作品の折々で自分は何者かと問うのですが、あるとき地球に遊びに行った際、彼は田んぼのカエルたちに向かって「キミ達って何の役にも立たないだろ?/その事についてどう思うかい」と質問を投げかけるのです。それに対して、カエルたちはこう答えるのでした。

「役に立つかどうか? どうでもいいじゃんそんな事 オレ達ただモーレツに生きてるだけさ」/「役に立つかどうかなんてさ あとから誰かが言う事だろ オレたちゃ誰かの言う事より自分の事は自分で決めるさ」

これはまさに「3」の年に意識しておきたいこと。よいこともそうでないことも入り交じった毎日のなか、いかに自分の人生を創造していくか。オリジナルな生き方を模索できるか。「役に立つ」「誰かの言う事」を気にして小さくまとまるよりも、自分の人生を創造的に生きることが、今は大切ということですね。そうすることで、運命はあなたが望むほうに、自然と向いていくのです。

フレッシュな雰囲気のなか自分の心を振り返って

各月の流れを少し詳しく見てまいりましょう。まず7月は、下半期の始まりにふさわしい、フレッシュなムードが漂っています。全体的に勢いがある時期で、社会全体に「新しいことをやっていこう」「現状を変えていこう」というムードがみなぎっていることでしょう。夏に似合うワクワク感から、少し強気なマインドになる人も増えそうです。この時期に運があまりよくなかったり、また体調が優れないと感じるようなことがあったりするときは「雰囲気にのまれないこと」が重要となります。逆に絶好調と感じられている人は、どんどん大胆に行動していくといいでしょう。呼応するように人が集まってきて、きっとよい流れに乗れるだろうと思います。8月は周囲と足並みを揃えて、協調を意識していきたいタイミング。誰もが周囲の人を助け、助けられるということを学ぶタイミングとなっています。ひとりでは生きられないし、仮に生きてはいけたとしてもそれは砂をかむような日々であるだろうと、そうした経験を味わう人は多いかもしれません。

9月は世の中的に、プライベートや余暇の時間を充実させることに注目が集まるでしょう。ワークライフバランスや働き方改革はいろいろな企業で取り組みが行われ、言葉としてもすっかり定着しました。もしも形骸的になってしまっているようであれば是正するムーブメントが起こるでしょう。10月は安定や平穏さを求めて動こう、目指していこうという流れが強まってきます。突飛なことをしても、ノッてくる人は少ないかも。礼儀やルールを尊重することが成功のカギに。11月は、大きなチャレンジをする人や団体に注目が集まりやすいタイミング。みんなでこの人を応援しよう、誇りに思うといったニュースも飛び込んでくるはず。12月のテーマは「愛」。令和元年という大きな節目の年も終わりを迎え、どの人も自分の身近な人への思いを、改めて振り返ることになりそうです。自分の運勢はどうであれ、できる範囲で周囲への感謝の気持ちを表し、自分も人もねぎらうようにすると運気が落ち着きやすいでしょう。

さて、先ほど引用した、カエルたちの言葉を覚えておいででしょうか。「オレたちゃ誰かの言う事より自分の事は自分で決めるさ」という頼もしい台詞は、自分が求めるものをよく知っているからこそ言い切れるもの。自分でわかってもいないことが、決められるはずはありません。もし「誰かに決めてほしい」「そうはいっても、みんなと同じ普通の幸せが欲しい」と思われる方がいらっしゃったら、無理して自分で決めようと思わなくても大丈夫です。まずやるべきことは、自分の心の声をよく聞いてあげること。あなたも気づいているかと思いますが、楽なほうに流されるのは決して「楽(らく)」でも「楽しむこと」でもありません。他人に決めてもらった人生は、所詮他人の人生です。あなたという人が成長すれば「本当はそうじゃない」という思いも、頭をもたげてくることになります。「みんなと同じ普通の幸せ」だって、あなたは「みんな」ではない以上、うれしく感じないかもしれません。本当のあなたは、なんと言っていますか。自分のことは自分が一番わかっているようで、実はわかっていないことも多いものです。

ほんの小さなささやき声すらも聞き逃さずに、「そうだね」と肯定してあげて、自分の人生を創り上げていく。この下半期はそうした動きに、本腰を入れていくことになると思います。よい人生にしてまいりましょう。きっとできます、大丈夫。